UFOキャッチャーの音も作っていた! DREAMS COME TRUE中村正人の知られざる“偉業”とは?

 その反響は世界にも広がっている。同ゲームのサウンドトラックが、誕生から20周年となる2011年に『ソニック・ザ・ヘッジホッグ1&2 サウンドトラック/中村正人 from DREAMS COME TRUE』として初CD化されると、意外な人物が反応した。 2012年5月に米音楽メディア『Dummy』で、世界的な知名度を誇るベーシストであるサンダーキャットが、「The 11 best bass guitar anthems」のひとつとして、中村の作曲した同ゲームの「Spring Yard Zone」を挙げて「一生頭から離れない、美しいメロディー」と絶賛したのだ。(参考:【The 11 best bass guitar anthems, according to Thundercat】

  今をときめく音楽家のフライング・ロータスも、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の音楽に魅了されたひとり。現在、東京・渋谷で開催されている『Red Bull Music Academy』のプログラムの一環として制作された、日本のゲームミュージックの歴史と魅力を紐解くドキュメンタリーシリーズ『DIGGIN' IN THE CARTS』の「Episode 4: クール・キッズ」では、フライング・ロータスがノリノリで『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の楽曲を鼻歌で歌っている様子が収録されている。同ドキュメンタリーでは、他にもサンダーキャットが「Spring Yard Zone」について「全部歌えちゃうよ。超ファンキーで、多分あの曲が俺にとってファンク・ミュージックの初体験だった」と語り、週刊ファミ通の元編集者で、現在はライターとして活躍するローリング内沢氏が「ソニックのクールさとポップさを上手に音楽に落とし込んでいて、ゲームをしながらJ-POPを聴いている印象もあった」と振り返るなど、中村の手がけたサウンドがゲームミュージックの可能性を広げた作品として評価されていることがわかる。(参考:【『DIGGIN' IN THE CARTS Episode 4: クール・キッズ』】

 J-POPのトップアーティストとして、王道的なキャリアを歩んできたドリカムであるが、今回紹介した中村のサイドワークのように、意外性のあるエッセンスが作品に深みをもたらしている。そうしたバックグラウンドを踏まえて『ATTACK25』を聴くと、新たな音楽的発見があるのではないだろうか。

(文=編集部)

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