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キーパーソンが語る「音楽ビジネスのこれから」第2回(後編)

アゲハスプリングス社長が語る、組織的プロデュース論「プロジェクト全体を組み上げる人材が必要」

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「世の中の多様化は横にも縦にも進んでいて、世代も含めるもの」

kenji_tamai_fin0912th_.jpgクリエイター集団「アゲハスプリングス」を率いる玉井健二氏。

ーー将来的にはそうしたプラットフォーム自体をプロデュースしていくことも考えていますか?

玉井:もちろん。動画サイトのページは今のままあり続けて欲しいし、そこから面白いものも生まれてくると思いますが、それとは違うやり方で、もっと広い人たちに届けたいし、あるいはもっと深く見せたいです。そのときに僕らはきっと役に立てると思います。たとえば、好きなラーメンがあったとして、それが普通のしょう油ラーメンだと魅力を紹介するのが難しいですよね? だけど、わかりやすく辛いとか、麺が細いとか、何かに特化していれば、伝えやすくなります。もちろん、本質を歪曲する必要はないけど、深く濃く伝えるために必要なことを提案することはできると思います。

ーー一方で、テレビに代表されるような広く伝えるメディアを舞台とする“誰もが知っているコンテンツ”は今後も続いていくのでしょうか。

玉井:今と同じような形ではなくなると思いますが、幅広い世代に伝わるコンテンツというのは確実に残ると思います。というのは、世の中の多様化は横にも縦にも進んでいて、世代も含めるものだからです。たとえば『孫』っていう曲は、発売されて以後すごい年月を経て200万枚を突破したそうですね(笑)。団塊の世代が40歳の頃にできた曲が、60歳になって孫ができて、その気持ちがわかってはじめて買ったということですね。また、アイドルのライブ現場にいくと、昔はアーティストと同世代が主だったのに、今は僕より上の世代の人もいっぱいいます。恋愛や憧れの対象とはまた違った視点で楽しんでいるのでしょう。大切なのは、一定の人々とどう共感していくかで、そこを突いていけば世代を越えて広がって、今でも100万に到達することがある。90年代、CDバブルの時代とは違って、いろんな形の夢を見ることができるようになったのだと思います。

ーーなるほど、世代的に「縦」に伸びていくマーケットというのは興味深いですね。最後に、15〜20年後のアゲハスプリングスはどういう形になっているでしょうか。

玉井:基本的にやみくもに拡大化することだけを目的とはせずに、いま大事なことは何か?ということを感じた瞬間にそこに向かうということを変わらずにやっていくと思います。恐竜と同じで図体だけをでかくすると、たくさん食べなくてはいけませんから。たとえば、300人くらいの規模になると人は官僚的になりますし、そうした人材も必要になってきます。ただ、エンターテインメントの世界では、その規模を必要としない場面が多くなっている。だから、規模だけを拡大するよりも個々人がグレードアップしていけばいいし、グレードをあげた人たちがやりやすいようにどんどん細分化されていけばいいと思っています。能力もそうだし、収入面もそうだし、もっと言えば業態自体はどんどん入れ替わっていけばいいとさえ思っています。大事なことはカタチだけでなくそこに付加価値があるかどうか?ですから。僕は大きな会社を否定するつもりはなくて、自分も所属してきたし、これからも残って欲しいとは思っています。ただ世の中は本当に多様化していて、大きな会社だと細かなニーズを取り損ねることも少なくない。アゲハとしてはそういったニーズをむしろ創っていくことに注力していきたいと考えています。

(取材=神谷弘一/構成=松田広宣)

■玉井健二
agehasprings代表・音楽プロデューサー。アーティスト活動や作詞・作曲・編曲家などを経て、1999年EPIC Records Japan入社。制作部所属プロデューサーとして多種多様の企画・制作に携わった後、2004年にクリエイターズ・ラボagehasprings設立。数々のアーティストのヒットを創出する。アニメ、映画、ドラマ、CM、ゲーム音楽プロデュースなど様々な分野でその手腕を発揮し、会社代表としては新たな才能の発掘も行っている。

■agehasprings
音楽×総合クリエイティブカンパニー。YUKI、中島美嘉、Superfly、ゆず、JUJU、flumpool、少女時代等々を手掛けるクリエイター集団。総合音楽プロデュース(2004年以降パッケージ総合売り上げが4000万枚突破)をはじめ、レーベル運営、広告戦略、映像制作、舞台演出など幅広い事業を展開。元気ロケッツやAimer、GOOD ON THE REELなどのアーティストマネジメントや、水口哲也、ジェーン・スーなどの文化系マネジメントも手掛ける。

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