朝ドラ『あさが来た』五代様ブームから10年 ディーン・フジオカが不動の人気になった理由

フジオカが出演した作品で個人的に印象に残っているのは、アレクサンドル・デュマの小説を原作とした『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(2018年/フジテレビ系)だ。初の連ドラ単独主演作なのだが、フジオカでなければできなかった役だと思われる。まず、デュマの原作を、現代日本を舞台にしてドラマにするという大胆な企画だった。善良な漁師の若者が、無実の罪で異国の牢獄に繋がれ、拷問されたり、脱獄したり、かと思うとシンガポールで投資家にになって大成功、その後は復讐の鬼になるという、こんなにとんでもない劇画調の物語にハマるのは、フジオカくらいしかいないのはないだろうか。
ディーン・フジオカの誰にも真似できないおかしみ 天賦の才と真面目さが圧倒的魅力に
今、日本でもっとも華麗にトンチキをキメられる俳優はディーン・フジオカその人である。 初めて俳優としての彼を認識したのは、20…漫画原作といえば、『正直不動産』(NHK総合)の神木涼真役も、フジオカだからこそ成立したと感じる。主人公・永瀬(山下智久)のかつての師匠であり、No.1に異常に固執するカリスマ営業マン・神木。フジオカ自身も、「見ていただいたら分かるんですけど、とんでもなく変わったキャラクター」「恥ずかしいを通り越して、演じていて狂気だなと」とコメントするほどの役で(※3)、周りが止めるのも聞かずにレストランで踊り出すタップダンスは、本格的で大真面目なだけに、もう誰にも止められないシュールさがあった。

ディーン・フジオカという俳優は、自分にリミットを設けていないのではないだろうか。それが海外で身につけたものなのかはわからないが、自分のイメージに固定することがなく、「あり得ない」人物をものにしてしまう。つまりそれは、フジオカ自身が「あり得ない」類の性質を持っていることなのかもしれない。決して型にはまらず、キャリアを積んでも重鎮のようにはならない。また、「ほとんど二次元?」と言うくらいの浮世離れ感を感じるのは筆者だけだろうか。
フジオカはこうも語っている。
「僕の場合、『こうなりたい』っていう目標や理想が先にあるんじゃなくて、『こういう風になりたくない』っていう想いの方が強いと思うんですよ。それに、やっぱり1回しかない人生の中で、自分がどこまで何をできるか知りたくないですか? どの回路からでもいいから、自分が続けていく行動の積み重ねのうちに、『好き』とか『やりたい』以上につながる感覚を持てるかどうか。そういう基準で、自分の道先を決めてきた気がします」。(※4)
ディーン・フジオカ、俳優として、アーティストとして目指す場所 親友との約束への決意も
監督の塚原あゆ子、脚本家の野木亜紀子、プロデューサーの新井順子のタッグで贈る、『アンナチュラル』(TBS系)、『MIU404』(…自分が思い描ける以上の見たこともない自分を見つけたいという好奇心。小さい世界に収まらない、いつも次の自分を探しているからこそ、ディーン・フジオカには出演依頼がやまないのかもしれない。
参照
※1. https://www.nikkei.com/article/DGXMZO96822130S6A200C1000000/
※2. https://www.instagram.com/p/DH4rHUWTa_Y/
※3. https://www.oricon.co.jp/news/2304100/full/
※4. https://www.cinra.net/article/interview-2013-11-06-000000-php
朱野帰子による小説『対岸の家事』を原作としたヒューマンドラマ。専業主婦の主人公・詩穂が、生き方も考え方も正反対な「対岸にいる人たち」とぶつかり合いながら、自分の人生を見つめ直していく模様を描く。
■放送情報
火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:多部未華子、江口のりこ、ディーン・フジオカ、一ノ瀬ワタル、島袋寛子、田辺桃子、松本怜生、川西賢志郎、永井花奈、寿昌磨、吉玉帆花、五十嵐美桜、中井友望、萩原護、西野凪沙
原作:朱野帰子『対岸の家事』(講談社文庫)
脚本:青塚美穂、大塚祐希、開真理
プロデューサー:倉貫健二郎、阿部愛沙美
演出:竹村謙太郎、坂上卓哉、林雅貴
編成:吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS
©朱野帰子/講談社
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/taigannokaji_tbs/
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