『べらぼう』『イケパラ』『俺の話は長い』 生田斗真「スーパーロマンス」MVのオマージュ解説

生田斗真1stシングルMVのオマージュを解説

 ドラマファンならば、きっとすぐに気づくはず。「これって、あの作品のオマージュじゃない?」と――。

 生田斗真の1stシングル「スーパーロマンス」のMVには、構図や衣装、ポーズに至るまで、これまで彼が出演してきた作品への“愛のあるオマージュ”がちりばめられているのだ。

生田斗真 / スーパーロマンス (Official Music Video)

 嵐やSUPER EIGHTらとともに切磋琢磨したジュニア時代を経て、現在はフリーランスの俳優として活動している生田。そんな彼が、芸能生活30周年の節目を迎える2026年、満を持して歌手活動をスタートさせることになった。その第一歩目となるのが、上白石萌歌とともにW主演を務めるドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』(日本テレビ系)の主題歌「スーパーロマンス」だ。

 俳優・生田斗真を応援してきたファンからしたら、これほど胸が熱くなる展開はないだろう。俳優として歩んできた時間と地続きの形で始まる歌手活動は、これまでのキャリアを肯定するようでもある。だからこそ、「スーパーロマンス」は、生田の作品を愛してきたドラマファンへのラブレターのようにも映るのだ。

 まず注目したいのは、「スーパーロマンス」の歌詞そのものだ。同曲には、“動物の求愛行動”から恋の悩みを紐解いていく新感覚なアカデミック・ラブコメディ『パンダより恋が苦手な私たち』とリンクしている部分が随所に見られる。

 たとえば、1番のAメロ〈二十歳の頃は がむしゃらに走り続けたけど/新しい僕は自分だけじゃもう楽しめなくなっている〉は、「人間の恋には興味がない」と言い張っていた超変わり者の准教授・椎堂司(生田斗真)が、雑誌編集者の柴田一葉(上白石萌歌)と出会い、“ひとりで完結する人生”から変化していく姿と重なる。第5話で、司と一葉が、メールでのやり取りではなく、実際に会って話すことを決めたエピソードも、〈電子メールじゃ伝わらない/知らない言えないことばかり〉という歌詞にリンクしていた。

 歌詞をじっくり読み込むと、ドラマで描かれている司の心情が、別の角度から立ち上がってくる。物語のなかでは言葉にされることがなかった揺らぎが、この楽曲によってそっと補完されているかのようだ。

 こうしたドラマとのつながりは、歌詞だけにとどまらない。冒頭で触れたように、MVには俳優・生田斗真の軌跡をそっと辿れるような演出が、随所に息づいている。

 なかでも嬉しかったのが、2007年放送のドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(フジテレビ系/以下、『イケパラ』)を思わせる場面だ。『イケパラ』は、平成一桁生まれの視聴者に、生田斗真という俳優の存在を強く決定づけた作品といっても過言ではない。わたしも、学生時代に「佐野派?」「中津派?」と教室で盛り上がった思い出がある。

 そんな『イケパラ』のオマージュシーンで印象に残っているのは、中津秀一(生田斗真)がペットボトルの水をブーッと吹き出す“あの”名場面である。「まさか、こんなことまでやってくれるとは……!」という感じだ。

 ちなみに、『イケパラ』シーンの生田は、当時の中津を思わせる金髪姿に身を包んでいる。20年近い時間が流れているはずなのに、「変わらなさすぎやろ!」と感動したのは、きっとわたしだけではないだろう。まるで、平成にタイムスリップしたかのような感覚に包まれた。

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