芳根京子×本田響矢の夫婦姿に“ムズキュン” 『波うららかに、めおと日和』に漂う朝ドラ感

『めおと日和』“ムズキュン”新婚生活が開幕

 「結婚は、恋のはじまり」という言葉に、多くの人は違和感を覚えるだろう。普通は恋が先で、結婚が後。しかし、それは現代の感覚であり、お見合いや親が決めた相手と結婚するのが当たり前だった一昔前は、まさしく結婚が恋のはじまりだったのだ。

 昭和11年の春。関谷家の三女として生まれたなつ美(芳根京子)に突然の縁談話が舞い込む。ドキドキしながら迎えた挙式当日、帝国海軍に勤める新郎の瀧昌(本田響矢)は訓練でまさかの欠席だった。その2週間後、ようやく会えた瀧昌は無口で何を考えているか分からず、戸惑うなつ美。『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)第1話では、前途多難な2人の新婚生活がスタートした。

 瀧昌がお世話になっている上官宅の離れに住むことになった2人。暮らしを整える中、意図せず瀧昌と手が触れたなつ美の心が跳ね上がる。なつ美は生まれてこのかた恋愛経験もなく、男性への免疫がないピュア妻だった。そのため、もちろん“初夜”の意味もよく分かっておらず、流れに身を任せることに。

 ところが、1日目は布団の用意がなく未遂に終わり、2日目は新婚早々に瀧昌が何も言わずに家を空ける。上官の妻・郁子(和久井映見)によれば、こういうことはよくあるとのこと。任務には国家機密も含まれるため、家族にすら詳しく説明できないのだろう。

 その一方で、海軍士官は花街通いが激しいとの噂を聞いていたなつ美は不安になる。実際、瀧昌にお弁当を届けるため、面会に訪れたなつ美が係員に促されるまま、続柄に「妹」と記載し、「エス」と勘違いされる場面もあった。「エス」とは、芸者を意味する海軍の隠語。当時、海軍士官たちは基本的に家族としか面会できないため、馴染みの「エス」や恋人に会いたい時は「妹」と偽らせていたという。

 だが、海軍の妻として余計な詮索は無用。郁子から「不在の間、家のお留守をしっかりと守る。それが私たちの仕事なのよ」と言われたなつ美は覚悟を決め、少しでも瀧昌が家で快適に過ごせるように努める。ちょっぴり不器用だけど、一生懸命なヒロインを演じさせたら芳根京子の右に出る者はいない。その感受性豊かな演技から生まれるなつ美の愛嬌溢れるキャラクターは純粋に応援したくなるが、妻がひたすら夫に尽くすという夫婦のあり方は現代の私たちにとっては新鮮。悪く言えば時代錯誤だが、不思議と嫌な感じがしないのは瀧昌のなつ美に対する思いやりが伝わってくるからだろう。

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