芳根京子×本田響矢の夫婦姿に“ムズキュン” 『波うららかに、めおと日和』に漂う朝ドラ感

一見、無愛想に感じる態度は女性への接し方が不慣れなゆえ。言葉数は少ないが、心の中は賑やかで、なつ美の一挙一動に動揺するそのギャップを本田響矢がおかしみをもって表現している。ぎこちないながらも歩み寄ろうとしてくれる瀧昌の優しさに触れ、少しずつ心を開いていくなつ美。最初は会話すらままならなかった2人だが、最後は「瀧昌さま」「なつ美さん」と名前で呼び合い、朝まで手を繋いで眠る。そんな初々しい夫婦のやりとりはじれったくてムズムズするが、微笑ましいこと、この上ない。まさに令和一の“ムズキュン”ラブストーリーの始まりだ。

また、自分たちのペースでゆっくりと関係性を深めていく2人の姿は、現代の私たちが忘れがちなことを思い出させてくれる。タイパやコスパが重視される現代社会では、すぐに答えや結果を求めがち。それを人間関係にまで持ち込んだ結果、私たちはどこか不感症になっている気がする。名前を呼び合うことも、手と手を繋ぐことも。本来は時間を要する、とても尊いことなのに。それをなつ美はもちろんのこと、幼い頃に両親を亡くした瀧昌はよく分かっている。

一方で、悠長に構えている瀧昌に、同僚の龍之介(小関裕太)が放った「先がいつなくなってもおかしくない仕事だって自覚があるんだと思ってた」という台詞にドキッとさせられた人も多いのではないか。
時代設定やドラマオリジナルキャラクターである活動弁士(生瀬勝久)の解説も相まって、NHKの“朝ドラ感”のある本作。奇しくもこの春から始まった『あんぱん』とは同時代を描いており、どちらも主人公たちは戦争前夜を生きている。そのため、瀧昌が長期不在の中、なつ美のもとに届く電報にも思わず鼓動が跳ね上がる。このドラマでどこまで踏み込んで描かれるかはわからないが、2人が見せてくれる幸せは決して当たり前ではないことを心に留め置きたい。
西香はちによる同名コミックを原作としたハートフル・昭和新婚ラブコメ。昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描く。
■放送情報
『波うららかに、めおと日和』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:芳根京子、本田響矢、山本舞香、小関裕太、小宮璃央、咲妃みゆ、小川彩(乃木坂46)、戸塚純貴、森カンナ、高橋努、紺野まひる、生瀬勝久、和久井映見ほか
原作:西香はち『波うららかに、めおと日和』(講談社『コミックDAYS』連載)
脚本:泉澤陽子
音楽:植田能平
主題歌:BE:FIRST「夢中」
プロデュース:宋ハナ
演出:平野眞
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
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