『キン肉マン』がいない日曜日が辛い OP曲とともに振り返る『完璧超人始祖編』の“衝撃”

今回の戦いはSeason1に引き続き、正義・悪魔連合軍VS完璧・無量大数軍の戦いである。前シリーズでもそうだったのだが、あくまで正義と悪魔は一時的に共闘しているだけで、本来敵同士である。ラーメンマンとスプリングマン、ウォーズマンとバッファローマンら、かつて殺し合いを演じた者同士もいる。憎まれ口を叩き合い、今の戦いが終わってからの再戦を誓い合う。だがツンデレの彼らは認めないだろうが、一度全力で戦った者同士、心の奥では奇妙な友情を感じ合ってもいる。スプリングマンがラーメンマンに言う「殺し返してやりたい」は、「だからこの戦いでは死ぬなよ。生きて帰ってこいよ」という意味である。
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9月22日に一旦完結した『キン肉マン 完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編』。毎週日曜、ただただ幸福な夜を過ごした。このアニ…実はSeason2で最も嬉しかったのは、このスプリングマンの活躍だ。旧作において、他の悪魔超人、特にバッファローマンやブラックホール、アシュラマンやサンシャインらの活躍場面は多かった。だが、スプリングマンはモンゴルマン(正体はラーメンマン)に敗れて以降、ほとんど活躍の場がなかった。
だが今回は、バッファローマンとタッグを組み、完璧・無量大数軍側のグリムリパー&ターボメン組と戦う。そして、ターボメンを道連れにして散る。バッファローマンとスプリングマンは、本来「ディアボロス(悪魔)」という名の名コンビである。死の間際のスプリングマンとバッファローマンのやり取り、「今度生まれ変わってきたら、ピッカピカの最新鋭おもちゃ超人になって、またお前とタッグを組みたい」「いいやオレは、バネボディのままのお前でいいんだ」のシーンは、泣かせる。わかりやすい浪花節ではあるけれど、泣かされてしまうものは仕方がない。
この浪花節由来の判官贔屓という感覚が、『完璧超人始祖編』の面白さを構成する要素のひとつである。Season1でのアトランティスや今回のスプリングマンのように、旧作では活躍し切れなかった超人たちに、見せ場が与えられている。旧作しか知らない人間に、酒場などで「アトランティスとスプリングマンには泣かされたわぁ~……」とこぼしたら、本気で驚かれると思う。
不遇だった彼らの活躍は、「しょせん俺なんて……」と、自らを卑下していじけて生きている人間にも、勇気を与えるものだ。原作通りであれば、Season3には“あの”6人+1人が参戦するはずだ。そして、同じく不遇だった“あの”超人に、またきっちり泣かされるはずだ。さらに面白くなることは保証されているので、どうか生殺しに耐えてほしい。
■作品情報
TVアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編 Season 2
Netflixにて独占配信中
原作:ゆでたまご(集英社『週刊プレイボーイ』『週プレNEWS』連載)
監督:さとう陽
キャスト:宮野真守(キン肉マン役)、上坂すみれ(ミートくん役)、小野大輔(テリーマン役)、小西克幸(ロビンマスク役)、梶裕貴(ウォーズマン役)、関智一(ラーメンマン役)、笠間淳(ブロッケンJr.役)
副監督:曽我準
シリーズ構成:深見真
アニメーションキャラクターデザイン:丸藤広貴
アニメーションスーパーバイザー 横田守
アクションスーパーバイザー:大張正己
プロップデザイン:岩永悦宣
美術デザイン:伊井蔵
美術監督:平栁悟
色彩設計:茂木早誉
撮影監督:齊藤慶一
編集:村上義典
音響監督:今泉雄一
音楽:高梨康治
アニメーションプロデューサー:黒木類
アニメーション制作:ProductionI.G
©ゆでたまご/集英社・キン肉マン製作委員会
©榊 智朗/週刊プレイボーイ
公式サイト:https://kin29man-anime.com
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