『御上先生』考える力が生んだ御上と生徒たちの戦略 高橋恭平演じる青年の正体が明らかに

『御上先生』高橋恭平の正体が明らかに

 終盤にさしかかった第8話では、隣徳学院の不正入学疑惑に新展開があった。第1話で御上が「簡単に見えるものを闇とは呼ばない」と述べたように、政治家に便宜を図る見返りに助成金を優遇した決定的な証拠は出てこなかった。タイムアップが迫る中、御上と倭建命のファックスを読み解いた是枝(吉岡里帆)は両面作戦に打って出る。御上は古代(北村一輝)、是枝は溝端(迫田孝也)へ。名づけて「プランオカミ2」である。

 古代や溝端は彼らなりの倫理で動いていて、それぞれの立場で守るべきものがある。官僚で教師の二面性を持つ御上とスローロリスの毒をはらんだ是枝のやり方は、駆け引きと真っ向勝負を両立していた。膠着状態で、突破口を開いたのは神崎(奥平大兼)ということになりそうだ。次元(窪塚愛流)のリサーチで、冴島(常盤貴子)の生徒名簿から1人の教え子が浮上する。戸倉樹(高橋恭平)こそ冴島が守ろうとする秘密の当事者だった。富永(蒔田彩珠)が気がかりだが、第9話で倭建命の正体が明かされる予告もあり、佳境に入った本作の行方から目が離せない。

 余談だが、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)でゆとり世代の小学校教師を演じた松坂桃李が真剣な表情でゆとり教育の弊害を語る姿は、舞台を教育行政の中枢に移した同作のシリアス版と言えなくもない。岡田将生や吉岡里帆との再共演と合わせて感慨深いものがある。

『御上先生』の画像

日曜劇場『御上先生』

「日本の教育を変えてやろう」という熱意を持ったエリート文科省官僚が高校教師となり、令和の18歳とともに、日本教育にはびこる権力争いや思惑へ立ち向かうオリジナル学園ドラマ。

■放送情報
日曜劇場『御上先生』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:松坂桃李、奥平大兼、蒔田彩珠、窪塚愛流、吉柳咲良、豊田裕大、上坂樹里、髙石あかり、八村倫太郎、山下幸輝、夏生大湖、影山優佳、永瀬莉子、森愁斗、安斉星来、矢吹奈子、今井柊斗、真弓孟之、西本まりん、花岡すみれ、野内まる、山田健人、渡辺色、青山凌大、藤本一輝、唐木俊輔、大塚萌香、鈴川紗由、芹澤雛梨、白倉碧空、吉岡里帆、迫田孝也、臼田あさ美、櫻井海音、林泰文、及川光博、常盤貴子、北村一輝
脚本:詩森ろば
脚本協力:畠山隼一、岡田真理
演出:宮崎陽平、嶋田広野、小牧桜
プロデュース :飯田和孝、中西真央、中澤美波
教育監修:西岡壱誠
学校教育監修:工藤勇一
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/mikami_sensei_tbs/

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