“戦わない岡田准一”が向き合う自身の原点 アクションではない新たな挑戦に注目

“戦わない岡田准一”が向き合う自身の原点 

 岡田とピアノが結び付かない人もいるかもしれないが、岡田は著書『オカダのはなし』(マガジンハウス)の中で、ピアノにまつわるエピソードを明かしている。「僕の原点」と題したコラム(p82)で、母がピアノ講師をしており、2つ上の姉はピアニストをしながら大学で教授の手伝いをしている(当時)と綴り、実家にはグランドピアノが2台。自身も小学校の6年間は母からピアノを習い、1日30分間はピアノの練習を義務付けられていたとある。

 本作公開にあたり、岡田は「母がピアノの先生なので、ピアノを弾く役は親が喜んでくれると思い、とても嬉しいのですが、小学生の頃やたまにライブで弾く程度だったので、今回ピアノを弾くということもチャレンジになります」とコメントしているように、久しぶりのピアノ演奏の機会となるようだ。作中でどんな音色を奏でるのか、物語と共に演奏シーンにも期待したい。そして、これを機にピアノ熱が高まりそうな予感もあり、作品を筆頭に音楽やピアノが岡田のこれからの俳優人生にどう交わっていくのかにも注目したい。

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 岡田は2014年放送のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』で主演を務めたほか、『ザ・ファブル』シリーズでは江口カン監督と、『燃えよ剣』では原田眞人監督とタッグを組み、時代劇から激しいアクションと、その出演作は実に幅広い。第38回日本アカデミー賞では、『永遠の0』で最優秀主演男優賞、『蜩ノ記』で最優秀助演男優賞をダブル受賞と、映画界においてひときわ存在感を放ってきた。

 さらにさかのぼれば、TBS系で放送された『木更津キャッツアイ』、『タイガー&ドラゴン』での役柄がいまだに心に残っている視聴者も多いのではないだろうか。『木更津キャッツアイ』で演じたぶっさんこと田渕公平役のユニークなキャラクターと仲間たちと交わした会話。『タイガー&ドラゴン』では、家柄ゆえに“落語の天才”と呼ばれた谷中竜二の栄光と挫折。哀愁を感じる寂し気な背中も印象に残っている。作品ごとに、セリフ回しもさることながら、シーンの印象を色濃く残す俳優ではないだろうか。

 今作で演じる、中村八大役が歩んだ人生における栄光の軌跡と挫折。ジャズに没頭した彼の苦悩。時代を超えていまなおリスナーの心に響く音楽がどのように生み出されたのか。岡田が中村八大という人物をどう解釈して演じていくのかーー。直近の出演作と比較して静かな映像にはなりそうだが、心は熱く、これまでとはまた違った“戦い”が見られそうだ。

参考
※ https://mantan-web.jp/article/20141004dog00m200062000c.html

■公開情報
『SUKIYAKI 上を向いて歩こう』
2026年公開
出演:岡田准一
監督:瀬々敬久
脚本:港岳彦
音楽監督/音楽:岩崎太整
音楽:林正樹
配給:東宝
©「SUKIYAKI 上を向いて歩こう」製作委員会

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