『星屑テレパス』佐藤綺星&伊藤百花の特別な関係性 “居場所”を求める4人の行く先は?

『星屑テレパス』居場所を求める4人の行く先

 佐藤綺星や伊藤百花らAKB48メンバーがメインキャストを務めるドラマ『星屑テレパス』(テレビ東京ほか)のBlu-ray&DVD BOXが1月29日に発売される。大熊らすこによる同名マンガを原作とする『星屑テレパス』は、2024年6~8月にかけてテレビ東京の「ドラマチューズ!」枠で放送。佐藤や伊藤のほか、大盛真歩、山﨑空らが出演し、宇宙への思いとそれぞれの「居場所」がキーとなる物語に仕立てられた。

 極度のあがり症で人とうまくコミュニケーションがとれない小ノ星海果(佐藤綺星)は、もはや地球上には自分の居場所がなく、宇宙に仲間を求めたいと思いながら過ごしている。不安を抱えて迎えた高校の入学式、海果は自らを宇宙人と称する明内ユウ(伊藤百花)に出会う。宇宙に帰る方法を探しているというユウと、仲間を探すため宇宙に行きたい海果。宇宙への思いが一致した2人は、同級生の宝木遥乃(大盛真歩)、雷門瞬(山﨑空)を巻き込みながらロケット研究同好会を立ち上げる。

 主人公・海果の引っ込み思案な人物像に佐藤がうまくフィットし、思いを強く持ちながらも言葉を発することができないじれったさを表現している。原作マンガや2023年のテレビアニメ版に比べてコミカルさが抑制された演出だからこそ、そのぶん海果の居場所のなさも際立ち、周囲との対照も明確になる。また、そうした人物として演じられているだけに、要所で彼女が発する強い言葉は、ドラマが動き出すための駆動因として説得力をもつ。

 宇宙人を自認し、ドラマ中でただ1人リアリティの水準がやや異なるユウは、伊藤のどこか浮遊感のある絶妙の佇まいによって体現されている。クラスメイトからも「ギャグ」だと思われている、ともすれば荒唐無稽なそのキャラクターはやがてクライマックスに向けての重要な鍵となるが、ロケット研究同好会メンバーたちに自然に溶け込みながらも特異な雰囲気を保ち続ける伊藤の存在感は、ドラマ全体のトーンにとっても重要だ。

 額同士をくっつけることで相手の気持ちを理解する「おでこぱしー」は、宇宙人としての能力を示すものであると同時に、ユウと海果との間に結ばれる特別な関係性の象徴でもある。ともに宇宙という、ここではない場所に強く思いを馳せるユウと海果だが、2人は関わり合ううち、いつしか宇宙ではないところに居場所を築いていく。その歩みは、本作の大きなテーマでもあるだろう。

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