赤楚衛二が『Re:リベンジ』で体現する“変化” “失った”海斗と“手に入れた”郁弥の対比

『Re:リベンジ』赤楚衛二が体現する変化

 権力争いに巻き込まれ、5カ月も眠らされたまま軟禁されたあげく、仕事も恋人も失ってしまう。第2話にして海斗(赤楚衛二)の身にあり得ないほどの災難が降りかかる『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系/以下『リベンジ』)は、今クールのドラマの中でも先が気になって仕方がない作品だろう。何もかも失った海斗が、どうリベンジ(復讐)を遂げていくのかが描かれる第3話は、まさに本作のタイトル回収がスタートする回ともいえる。今回はそんな『リベンジ』の第3話を試写で観る機会を得た筆者が、放送に先駆けて見どころを紹介していく。


 ここで最も注目したいのは、“何かを抱えていそう”な大友郁弥(錦戸亮)の存在だ。第2話の段階では、会長である天堂皇一郎(笹野高史)の意向で新理事に就任したこと、そして幼少期から智信と関わりがあったことが明かされたものの、本人の人となりはまだ見えてこない。海斗が言うように、天堂記念病院で手術中に事故死した母のことがきっかけで復讐をしようとしているのだろうか。

 
 いよいよ第3話では、海斗が郁弥の動きを追う様子がふんだんに盛り込まれ、どんな人物なのかが徐々に明るみになっていく。これらのシーンでは5年ぶりにフジテレビのドラマに出演を果たした錦戸の芝居の良さもたっぷり堪能できるので楽しみにしてほしい。エリート医師役が非常によく似合うだけでなく、海斗と対照的に見えるキャラクターをしっかりと作りこみ芝居で表現していく姿に、どんどん引き込まれるだろう。錦戸が表現する郁弥像は第3話以降もさらに作品を盛り上げてくれるに違いない。

 加えて、主人公・海斗の「変化」にも、ぜひ注目してほしい。“欲望がむき出しになっていくリベンジサスペンス”だという本作において、おそらく「変化」が一つのキーワードとなるのは間違いない。そして第3話の海斗は、第1話で陽月にプロポーズしようとしていた頃の姿とは大きく違う。やはり、あれだけの目にあった上で事件の真相に迫ろうとする海斗には、行動や格好、振る舞いに変化が現れ始めているようだった。そこで海斗の「変化」に呼応するかのように浮き上がる様々な人物たちも「変化」を遂げる。第3話からはさらに物語の進度が加速し動いていくという“勢い”が感じられた。この「変化」を決して見逃してはならない。

 
 昨今では「親ガチャ」という言葉も使われるようになったが、どんな親、どんな家に生まれるかを選ぶことは誰にもできない。それは海斗も同じ。ましてや天堂記念病院という日本屈指の大病院の理事の息子に産まれたからには、その運命は簡単には切り離せるものではない。望むと望まざるとにかかわらず、権力争いや事件に巻き込まれすべてを失ってしまった海斗が、なんとか取り戻そうと足掻く姿が印象的だ。失った海斗と手に入れた郁弥。ゾクゾクするサスペンスと復讐があいまった本作が、いよいよ物語の核に迫るときがきた。

■放送情報
木曜劇場『Re:リベンジ-欲望の果てに-』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00〜22:54放送
出演:赤楚衛二、錦戸亮、芳根京子、見上愛、梶原善、青木柚、白山乃愛、利重剛、小木茂光、光石研、余貴美子、笹野高史
企画:藤野良太
脚本:伊東忍ほか
主題歌:Stray Kids「WHY?」(Sony Music Labels Inc.)
音楽:堤裕介
企画:藤野良太
プロデュース:足立遼太朗
演出:金井紘、柳沢凌介
制作協力:storyboard
制作著作:フジテレビ
©フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/re-revenge/

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