桜井ユキ×土居志央梨×平岩紙×ハ・ヨンス 『虎に翼』寅子と一緒に“地獄”行きの同級生たち

『虎に翼』“魔女部”の寅子の同級生

 『虎に翼』(NHK総合)第2週では、いよいよ寅子(伊藤沙莉)が明律大学女子部に入学。そこで寅子は、年齢も生い立ちも違うが共に法律を学ぶ仲間たちと出会う。中でも、注目が集まるのは寅子の同級生となる個性豊かな4人のキャラクターだ。

華族のお嬢さま・桜川涼子(桜井ユキ)

桜川涼子/桜井ユキ
桜川涼子/桜井ユキ

 新入生代表として登壇した桜川涼子を演じるのは桜井ユキ。涼子はファッションや行動が雑誌に取り上げられるほどの有名人で、女子の憧れの的である。海外への留学経験もあり英語が堪能で、成績も優秀。寅子の同級生の中でも一際華やかな存在感を放っている。

 桜井は2022年度前期放送のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』で、ヒロインの暢子(黒島結菜)が働くイタリア料理店のオーナー・大城房子(原田美枝子)の若き日を演じ、“朝ドラ初出演”を飾った。若き日の房子は、空襲によってたった1人の家族だった妹を亡くすも、終戦直後に闇市で定食屋を営むなどして懸命に生き抜いた。桜井が見せた優しくも強いまなざしは、原田演じる房子の厳しくも人情味のある佇まいに受け継がれていた。

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 桜井がこれまで演じてきた役柄を振り返ると、どこか影を感じさせる佇まいも心に強く残っている。公式ガイドブックで桜井は、華族の令嬢を演じるために華族に関する本を読むなどする中で、歯を見せて笑ってはいけないなど事細かな決まりがあったことに驚いたと話しており、「涼子もきっといろいろな場面で抑えつけられて育ったんだろうと思いました」とコメント。本作で桜井が演じる涼子もまた、華族ならではの“生きづらさ”を抱えた影が見え隠れするかもしれない。

男装の女性・山田よね(土居志央梨)

山田よね/土居志央梨
山田よね/土居志央梨

 さっそうとした男装が強く印象に残る山田よねを演じるのは土居志央梨。土居の凛とした男装姿に見ていて心がシャキッとする。よねは女性の社会進出に信念を持ち、同級生の中でも人一倍やる気がある人物なのだが、のんきに見える寅子たちに強く当たる人物でもある。

 土居は2020年度後期放送のNHK連続テレビ小説『おちょやん』で、ヒロイン・千代(杉咲花)の奉公先で働くお茶子の一人・富士子を演じていた。富士子は公式サイトにて“怒ると少しこわい”と紹介されていた。劇中ではライバル関係にある芝居茶屋のお茶子たちが千代をからかった時、無言で睨みを利かせたり、「いけずばっか言うてたらえらい目に遭わすで!」と啖呵を切ったりしている。この場面での土居の演技は、少しこわいが頼り甲斐のある富士子の姿を印象づけた。

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 公式サイトや公式ガイドブックを見ると分かるが、よねはどの場面においても険しい面持ちをしており、笑った顔を一切見せていない。演じている土居は公式ガイドブックで「よねは、怒りをエネルギーに換えられる人」と語っている。ガイドブックによれば、よねは自身の境遇や女性が虐げられる社会に憤り、それを変えるために一心に努力を続けている。怒りが原動力だからこそ、寅子たちとの衝突が予想される。その度ハラハラさせられることになると思うが、よねが逆境に立ち向かう様に心打たれる視聴者は多いのではないだろうか。

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