『ゼイチョー 』菊池風磨が見せる緩急の激しい表情 本郷奏多と山田杏奈の関係が明らかに
「私たちは、敵じゃない」
『ゼイチョー 〜「払えない」にはワケがある〜』(日本テレビ系)第2話で登場する住民税滞納者は、徴税吏員・百目鬼華子(山田杏奈)の小学生時代の同級生。かつて百目鬼をいじめていたパチンコ店従業員・小沼真名美(田辺桃子)だ。
父親が建設会社を経営していた真名美は困窮を極めていた当時の百目鬼を“貧乏”だといじめていたが、実はその頃真名美の父親の会社は倒産し両親は離婚していた。自分と同じ境遇ながらそれを周囲に隠そうともしない百目鬼の正々堂々とした振る舞いが、真名美にとっては到底真似のできない眩しいもので、自身の臆病さや卑怯さをより突きつけてくるようで苦しかったのだろう。あるいは自分よりも貧しい家の子を見つけて、周囲の目を自分から逸らし、どこかで安心したかったのかもしれない。
そんな真名美にとっての税金を“払いたくない”ワケは、“いくら働いてもほとんど税金に持ってかれる”にもかかわらず、その税金に養われながらパチンコを打ちに来る人たちを目にした際に湧き起こる“不公平感”からだ。毎月1日と偶数月の15日に行列をなす生活保護受給者と年金受給者がパチンコに興じているのも、その中にも税金滞納者がいることも許せないのだという。
しかしそれも彼女の本音というよりも、強がりゆえのことだろう。生活が苦しく“払えない”わけではない。あくまで“払いたくない”のだというポーズをとり続けることで、父親に捨てられそこからずっと苦労し続けてきた自分を何とか惨めに思わずにいられ、なけなしの尊厳をどうにか自分自身で守り抜くための彼女なりの必死の策だったのだろう。“経済状況に問題なしでの納税拒否”かに思われた真名美だったが、実際のところ彼女は“払えなかった”のだ。そして、彼女が“不平等感”をぶつけるべき相手は実際には恋人の内田卓也(戸塚純貴)であることを饗庭蒼一郎(菊池風磨)が続々暴いていく。
勤務していた会社が倒産することになり辞めざるを得なかった中、実家に仕送りをしながら妹の学費も払っているという内田の身の上話は全て真っ赤な嘘。それどころか彼は株で儲けたお金もすぐに使い果たしてしまい、真名美に寄生して生活費を入れずにパチンコにしょっちゅう通っている、彼女が最も軽蔑する人間だった。