菊池風磨は“二面性”を巧みに演じ分ける 『ゼイチョー』饗庭役の特性は本人とも重なる?

菊池風磨は人の二面性を巧みに演じ分ける

 菊池風磨がついに“お仕事ドラマ”で主演を務める『ゼイチョー 〜「払えない」にはワケがある〜』(日本テレビ系)が10月14日より放送スタートする。菊池が演じる饗庭蒼一郎は、市役所の納税課に勤める公務員・徴税吏員でノリが軽くて人たらし、持ち前のコミュニケーション能力で相手を油断させて懐に入ることに長けているようで、菊池本人のキャラクターや特性とも重なるところがありそうだ。

第1話予告【主題歌ver】公開! 新土曜ドラマ【ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~】主演・菊池風磨&ヒロイン・山田杏奈 10月14日スタート

 同じく日本テレビ系で放送された土曜ドラマ『大病院占拠』では、大病院を占拠した武装集団「百鬼夜行」のリーダー・青鬼役を好演。前半はマスクで顔も隠したままゲームを楽しむ血も涙もない冷静沈着な愉快犯かのように見せかけて、後半にかけて鬼の仮面の下に潜む“生身の人間”の感情が露呈する様子を見せてくれた。

 そこから打って変わり、主演を務めた『隣の男はよく食べる』(テレビ東京系)では、長年恋から遠ざかっていた独身オトナ女性・大河内麻紀(倉科カナ)を翻弄する隣の部屋に住む年下男子・本宮蒼太役を熱演。意図せずあざとさを発揮する蒼太の罪深い天性の身のこなしを自然に見せ、それでいて遊びではない本気さをきちんと随所に散りばめる。年下男子のかわいらしさや時に見せる大胆さを緩急つけて体現し、しかし危なっかしく刹那的なのではなく、ありのままを受け入れてくれるような懐の深さも見せた。

 ラブストーリーで主演と言えば、『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)では、20年にも渡る初恋を拗らせた末、想いを寄せ続けた初恋の相手で幼なじみの千堂八重(長濱ねる)と期限付きの“ウソ婚”をするドSな設計事務所社長・夏目匠役を思い出す。クールなふりをして彼女を振り向かせるために不器用ながらも影で努力し、素直になれないものの奮闘する姿がいじらしくもあり、じれったくもあった。

『ウソ婚』が教えてくれた世界の色の変え方 菊池風磨と長濱ねるだったからこその匠と八重

生きていると、どうしても建前でやり過ごさなければならない瞬間がやってくる。たとえば、上司から「この服、どう?」と聞かれて、本音で…

 好きな相手なのに、いや本気だからこそ臆病になり、興味がないふりをしてしまう。冷たく素っ気なく接してしまう小学生男子のような稚拙さに、時に自分でも辟易しながら、それでもなかなか自身が作ってしまったポーズを崩せない歯痒さを見せた。本当は八重の前では自信がないのに、強がって揺るぎない自信があるかのように見せてしまう。スマートなのに、ふとした瞬間に人間臭さや情けなさが見え隠れする役どころは菊池の得意とするところだろう。

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