『怪物』『ハイエナ』『ザ・ゲスト』 様々な支え合い方を映し出す韓国ドラマ3選
バディや仲間の絆を丁寧に描く韓国ドラマは、出会い方が最悪な時こそ、その後の展開が楽しみになる。恋愛に発展しそうで発展しないドキドキ要素を含む作品もあれば、とにかく胸熱で絆の深さに涙してしまう作品も。本記事では、様々な支え合い方を映し出す韓国ドラマ3作品を紹介したい。
『怪物』
『怪物』は、衝撃的な未解決事件の真相を追う刑事たちを描いた物語。「起承転転転転転転転転転結!」と最後まで痺れる展開で、1秒たりとも無駄がない骨太なサスペンスで、怪物を捕らえるためには怪物になるしかない”という台詞通り、登場人物たちが一線を越え続ける姿から目が離せなくなる。2021年百想芸術大賞ドラマ部門では作品賞に輝いた。
妹を亡くした悲しみを背負い続けるマニャン派出所の巡査部長イ・ドンシク(シン・ハギュン)と、本庁からマニャン派出所に異動した成績優秀で次長の息子ハン・ジュウォン(ヨ・ジング)。そんな2人は、ある田舎町で出会うこととなる。最初の印象は最悪で、挑発的な目で睨みうような日々。だが、2人の関係性を察した所長の指示によって、パートナーを組むことになってしまう。
上手くいかないように見えていたのも束の間、ジュウォンが窮地に立たされるところから、ゆっくりと関係性が変わり始めていく。正面から向き合い監視し合っていたはずの2人が、背中合わせになり一番弱い部分を守り合う関係性へとなっていくのだ。“疑わないために疑う”、“あなた以外に自首するつもりはない”など、言葉の節々から漏れ出る互いへの揺るぎない信頼。そして、いつしか喜怒哀楽の感情を共にしていく姿は、真のパートナーそのものだ。
自分ごとのように相手を心配し、重なり合って泣き崩れ、相手のために地獄へ落ちようとする2人は、観る人の心臓を鷲掴みにして離してくれない。爽やか坊ちゃんと言われていたジュウォンの急激な変化や、ドンシクの全てを語る目、そしてジュウォンの呼び方の変化から分かる想いなど、ひりつくようなサスペンスとともに、最強のパートナーの姿を是非最後まで堪能いただきたい。