チュ・ジフンが視聴者を魅了したドラマ6選 『照明店の客人たち』で切り開いた新境地
配信前から注目を集め、全世界のディズニープラスで2024年に最も視聴された韓国オリジナル作品となった『照明店の客人たち』。本作で照明店の店主を演じ、新たな扉を開いたといっても過言ではないほど心を震わせるような演技で視聴者を魅了したのが、俳優チュ・ジフンだ。本記事では、そんな彼の出演作からいくつか紹介していきたい。
『照明店の客人たち』
生死の境のような、路地裏の照明店にたどり着いた客人たちを描くヒューマンドラマ。劇中では、“どこであれ人が生きる場所”にスポットを当て、生死を彷徨い「帰る人」と「とどまる人」たちの愛と別れを描いていく。登場人物をあえて対立構造で描き過ぎずに1人の人として大切に描いているのがポイントで、観終えた後に自分自身の価値観や生死に対する考えを改めて見つめ直したくなると思う。序盤はホラーのような場面もあり好みは分かれるかも知れないが、第4話を超えた辺りから散りばめられた点が線となり、気づけば号泣してしまうはず。本作は、『ムービング』に続きKang Fullの原作をドラマ化しており、監督は前作で俳優として出演したキム・ヒウォンが手掛けている。
「ご用件は?」眩しく光る照明店に足を踏み入れた客人たちにそう問いかける店主をチュ・ジフンが演じる。物静かで、真っ黒なサングラスをかけており感情が読めない不思議なキャラクターなのだが、この“静”というのがポイントの一つ。後半に“動”の要素が強まる場面があるのだが、「こんなチュ・ジフン観たことない!!」と言わずにはいられないほど、新境地を切り開いた彼の演技を観ることができると思う。あまり書くとネタバレになってしまうので、続きは是非本編で観ていただきたい。
『愛は一本橋で』
学生時代に両想いだったはずの2人がすれ違い、18年後に再会するロマンス。家族同士の不仲を抱えながらも、学校の理事長と体育教師として再会した2人が、再び惹かれあっていく姿を映し出していく。これで1本ドラマが出来てしまうのでは、と思わずにはいられなくなるほどの甘さと苦さが詰まった学生時代の回想シーンも見どころの一つ。エピローグに込められた物語から目が離せず、初々しさ溢れる学生時代と現在の映像をリンクさせながら展開していく世界観にどんどん引き込まれていく。
一見ツンツンしているように見えるが、一途で愛情深い理事長ソク・ジウォンをチュ・ジフンが演じている。ユン・ジウォン(チョン・ユミ)が大好きすぎてしっかりヤキモチを焼いたり、体を張ったり、全力で愛を叫んだりするのだが、こういった役柄をコミカルかつ魅力たっぷりに演じるのがとにかく上手い。ふとした瞬間に溢れ出る大人の色気も最高で、きっとソク・ジウォンを愛さずにはいられなくなると思う。メイキングでは、キスシーンの撮影が10年ぶり(?)と話す場面もあり(実際には別作品の撮影があるはず笑)、それほど久々に彼のラブコメを観ることができる貴重な作品でもある。劇中では『宮~Love in Palace』のOSTをチュ・ジフンが歌う場面もあり、視聴者の観たいがギュッと詰まっていると思う。
『ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-』
勝つためには手段を選ばないとある過去を背負った弁護士と、エリート弁護士が対立しながら事件の真相を明らかにしていく物語。スカッとする痛快な一作でもあり、チームで戦うお仕事ドラマでもある本作。緩急をつけるように合間に挟まれる2人の弁護士の恋に、一瞬たりとも目が離せなくなってしまう。
第1話が一番甘いかもしれない、と思うほどとろけてしまいそうな大人の恋が詰め込まれた序盤。これだけ観ると恋愛ドラマにも思えるが、良い意味で裏切られるのが本作の面白いところ。劇中では、チョン・グムジャ(キム・ヘス)に心惹かれる弁護士ユン・ヒジェをチュ・ジフンが演じる。喧嘩しながらも、心の底では相手を想い側で支える一途なキャラクターで、背中合わせで困難に立ち向かっていく2人の関係性がとにかく心地よい。特に第8話はチュ・ジフン演じるヒジェの優しさと器の広さと色気が爆発している神回で、是非本編を観て堪能いただきたい。落ち込むグムジャに、あえて「必要なら僕を利用していい」と言葉にする名場面は、何度だって観たくなる。