『暴れん坊将軍』はなぜポップカルチャーに? 「マツケン」人気から視聴者層拡大なるか

『暴れん坊将軍』はなぜポップカルチャーに?

 お目当ての俳優の出演を知っていても「時代劇」と聞くと、その視聴者層は一気に狭まってしまうイメージがある。どうしても歴史的背景を知らなくてはいけないのではないか、知識がなくてはついていけないのではないかと思ってしまいがちだからだ。

 それにもかかわらず、盛り上がりを見せている時代劇シリーズがある。1978年から2002年にかけてテレビ朝日系列でレギュラー放送されていた『暴れん坊将軍』だ。

【予告】新・暴れん坊将軍

 同シリーズは、江戸幕府の第8代将軍・徳川吉宗(松平健)が町火消“め組”に居候する貧乏旗本の三男坊・徳田新之助に姿を変え、江戸町民と交流しながら世にはびこる悪を斬る勧善懲悪もの。1月4日には17年ぶりの新作『新・暴れん坊将軍』が放送されることが決まっており、SNSを中心にすでに盛り上がりを見せている。

 今回は、そんな『暴れん坊将軍』が幅広い世代から愛されるポップカルチャーとなりつつある理由を考えたい。

 数ある時代劇シリーズの視聴者層を考えた時に、放送前からSNS上で盛り上がりを見せるのはなかなかに珍しい印象がある。その印象を確信に変えるのが、2024年10月18日~11月11日にカルチャーの発信拠点・渋谷PARCOで開催された「暴れん坊将軍 POP UP SHOP」だろう。ポップアップショップといえば、新進気鋭のクリエイターや、長きにわたって愛されてきたキャラクターやアニメ作品などのコンテンツが多く展開されるイメージだが、そんな中で、約1か月にもわたり、開催されたのはなかなかに珍しい。

 ちなみにこれは、松平健の芸能生活50周年を記念し、俳優業の中で25年間にわたって主役を務めた『暴れん坊将軍』にフォーカスしたもの。店内には松平が演じる徳川吉宗の等身大パネルのフォトスポットや、「暴れん坊将軍(上様)」のアクリルスタンドや、缶バッジなどの商品が数多く並び、若者を中心に多くのファンが訪れていた印象だ。

 このことからわかるように『暴れん坊将軍』は“推し活”コンテンツにもなり得ている。そして、そこには松平自身の愛され力、寛容な心が反映されているのではないかと考える。

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