『その電話が鳴るとき』ユ・ヨンソクの凄み漂う会見シーン ヒジュの行動力が悲劇を呼ぶ

『その電話が鳴るとき』ヒジュに起きた悲劇

 Netflixでヒット中の『その電話が鳴るとき』がクライマックス目前を向かえている。本作は、ユ・ヨンソクとチェ・スビンが仮面夫婦から愛し合うようになるまでを、ミステリーを交えて描いたロマンス作品。“ヨンソクのこじらせ沼”にハマる視聴者を爆誕させて、Netflix日本ランキング、世界ランキングともに常に上位をキープしたまま、ラストに向けてヒット街道を爆走中だ。本稿は第9話、第10話を中心にご紹介したい。(以下、ネタバレあり)

 ユ・ヨンソク演じる大統領室報道官のペク・サオンは、大統領候補の息子で容姿端麗、頭脳明晰、家柄優秀と国民から愛される政治家として活躍していた。そんなサオンには、政略結婚をしたチェ・スビン演じる手話通訳士のホン・ヒジュという妻がいる。仮面夫婦として3年を過ごしてきたサオン&ヒジュ夫婦だが、1本の脅迫電話がきっかけで夫婦関係に変化が訪れる。

 ヒジュは、姉イナ(ハン・ジェイ)から、サオンとその父であり大統領候補ウィヨン(ユ・ソンジュ)の間に親子関係が成立しないことを証明する親子鑑定書を見せられる。ヒジュは、サオンから以前に「君の知るペク・サオンがこの世から消えたとしよう。覚えていてくれ、この世で1つだけ残したい私は、君のペク・サオンだと」と告げられたことを脳裏に浮かべる。ヒジュはイナから「代打で結婚したのなら別れてもいい」と言われるも、「姉さんの代打で仕方なく結婚したわけじゃない。私がペク・サオンを選択したの」とイナに話す。ヒジュの声を聞いたイナは、「そういう声なんだ、きれいね」「実は、あなたの呼ぶ“姉さん”という声が私は好きだった」と言い、妹ができてうれしかったと本音を明かした。イナがヒジュを心から心配し、愛していることがわかり、ヒジュに強力な味方ができたことに安堵してしまう。

 その頃、サオンは、放火されたチュアン釣具店でサンフン(キム・ジュンベ)を助けようと火災に巻き込まれ意識を失っていた。そこに、精神科医のサンウ(ホ・ナムジュン)が助けに現れ、サオンは病院に運ばれる。

 一方、深夜になっても帰宅しないサオンを心配したヒジュは、サオンの父ウィヨンを訪ねる。そこで、ウィヨンの秘書ミン室長(ホン・ソジュン)の話を聞いたヒジュは、サオンを脅迫している犯人(パク・ジェユン)が、ウィヨンの実子である本物の「ペク・サオン」だということに気づいて戦慄する。動揺するヒジュのもとに、サンウからサオンの状況を知らせる電話が入る。

 ヒジュは入院し、負傷しているサオンの姿を見て涙し、これまで自分が知らぬ間にサオンに愛され、守られていたことを思い出しながら、「今度は私の番よ。私がペク・サオンを守る番」と意識の無いサオンに語りかける。その声を聞いたサオンは目を覚ます。

 その後、警察に出頭しようとしたヒジュは、サオンに「私は何も知らずに、あなたの破滅を祈ってヤツと共謀し、あなたを脅して苦しめた」「お願いよ、一度くらいあなたを守りたい!」と涙ながらに詰め寄るが、サオンは「君がいたから私は生きてこられた!」と涙し、ふたりは抱き合う。これまでサオンの思いを知らなかった自分を悔いるヒジュの強い決意が、この後の行動に現れるのだ。ヒジュが大人しそうな見た目とは裏腹に、強い意思と熱を持ち、無鉄砲な行動さえ取る人物だということが、のちの展開で彼女を悲劇的な行動へと向かわせる。

 仕事に復帰したサオンは、自分の通訳をしたヒジュを、行政官のドジェ(チェ・ウジン)に送らせる。しかし、ドジェは児童養護施設の行方不明児童の双子の弟だったのだ。ドジェは、サオンが児童たちを殺した犯人だと思い込み、拉致犯と協力してサオンに復讐をしようとヒジュを眠らせる。しかし、拉致犯が本物のペク・サオンだと気づいたドジェは襲われナイフで刺される。

 本物のペク・サオンである犯人は、ヒジュを拉致して、彼女に運転させながら、サオンに脅迫の電話をかける。ヒジュは、愛する夫サオンを守るために、スピードを上げハンドルを切り、車はガードレールを突き破った後、ヒジュもろとも海へと転落する。

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