福本莉子、研究熱心な一面は『トリリオンゲーム』凜々役にピッタリ? 重要な“3人目”に
それが顕著にあらわれていたのは、2022年に主演を務めた(いずれもダブル主演)映画2作品であろう。Travis Japanの松田元太とダブル主演を務めた『君が落とした青空』では事故に遭った恋人を救うために何度もタイムリープをするヒロインを演じ、『消えた初恋』につづいて道枝駿佑と共演した『今夜、世界からこの恋が消えても』では一度眠ると記憶がリセットされてしまうヒロインの苦悩を体現する。
この両作のようなティーンズノベル原作作品は先述の『思い、思われ、ふり、ふられ』などのような少女漫画とは異なり、物語上の明確なフックになる要素が介入している場合が多く、そのヒロインとなれば、よりその作品の世界に染まり、説得力を与える必要がある。『今夜、世界からこの恋が消えても』において福本は、前向性健忘という疾患について念入りにリサーチを重ねたり、演じていくなかでも相手を覚えるために観察する視線を重視したり。そうした研究熱心な一面は、今回のドラマで演じる凛々と通じるものがある。
今回の『トリリオンゲーム』のメインヒロインは、“桐姫”こと今田美桜演じるキリカであるわけだが、凜々も立派にサブヒロインといえる立ち位置だ。ワガママ奔放なメインヒロインと堅実なサブヒロインの対極さは実に興味深い。原作での凜々は、就活で得た分析を活かして「株式会社トリリオンゲーム」の基礎を作り上げ、さらに花屋でのバイト経験を活かす。ハルとガクが持ち合わせていない収集力と応用力で、2人を支える極めて重要なポジションである。
近年のいわゆる“起業ドラマ”の傑作を例にとってみれば、Netflixで配信された韓国ドラマの『スタートアップ:夢の扉』や、2022年に放送されたTBSドラマ『ユニコーンに乗って』のように、起業するチームは3人そろうことで絶妙なバランスを保つものだ。ハルとガク、そして凜々。この3人がそろう第2話は、『トリリオンゲーム』の物語の基礎が確立するという意味で見逃せないエピソードになることだろう。
■放送情報
金曜ドラマ『トリリオンゲーム』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:目黒蓮(Snow Man)、佐野勇斗、今田美桜、福本莉子、竹財輝之助、あかせあかり、國村隼、吉川晃司
原作:稲垣理一郎/作画:池上遼一『トリリオンゲーム』(小学館『ビッグコミックスペリオール』連載)
脚本:羽原大介
演出:村尾嘉昭、竹村謙太郎、田中健太
プロデューサー:松本明子、松下ひろみ、加藤章一
主題歌:Snow Man「Dangerholic」(MENT RECORDING)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS/撮影:高橋裕子
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/trilliongame_tbs/
公式Twitter:@trillion_tbs
公式Instagram:trillion_tbs
公式TikTok:@trillion_tbs