福本莉子、研究熱心な一面は『トリリオンゲーム』凜々役にピッタリ? 重要な“3人目”に

福本莉子、研究熱心な一面は凜々役にピッタリ

 Snow Manの目黒蓮演じるハルと佐野勇斗演じるガクが、“1兆ドル(=トリリオンダラー)”を稼いでこの世のすべてを手に入れようとするTBS金曜ドラマ『トリリオンゲーム』。第1話では、ハルのワガママに振り回されるまま2人は起業することとなり資金集めに奔走。世界中から集まったハッカーたちと技術を競い合う“セクチャン”ことセキュリティチャンピオンシップに挑むさまが描かれていった。ハッタリを利かせて場を掻き回すことに長けたハルと、気弱ながらもいざとなれば持ち前の才能を発揮できるガク。2人の好対照ぶりが垣間見えるエピソードであった。

 そして7月21日に放送される第2話では、その“セクチャン”を機に投資家からの出資に漕ぎつけたハル&ガクが「株式会社トリリオンゲーム」を設立。まだ何をする会社なのかも決まっていないまま、人材集めをスタートさせていく。そこで採用面接にやってくるのが、とことん真面目で堅物な大学生の高橋凜々。真面目さが仇となって就活は全敗だという彼女は、「株式会社トリリオンゲーム」に採用されるや会社の代表取締役社長に任命されることになるのだ。

 この凜々役を演じるのは、第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを獲得した福本莉子。言わずもがな多くの人気女優たちを輩出してきた同オーディション出身者のなかでも、福本のキャリア初期は少々イレギュラーなものだった。映画やドラマ、舞台などに先んじてNHKの『高校講座』で活動を始め、さらにテレビアニメ『ひそねとまそたん』の主題歌で歌手デビューも飾り、同作で声優デビューも果たす。彼女に最も適した活躍の場はどこかと模索された時期だったのだろう。いずれにせよ、こうした様々な分野に挑戦したことで培われた自在性は、女優業で開花した現在に大いに役立っているとみえる。

 映画・ドラマでの端役を経て福本が一気にジャンプアップしたのは2020年。まずは『映像研には手を出すな!』(MBS/TBS)で“大・生徒会”の切り込み隊長・阿島九役を演じてポップなテイストの作品の良きアクセントとして存在感を示せば、映画『思い、思われ、ふり、ふられ』では浜辺美波と北村匠海、赤楚衛二と共にメインキャストの一角を務める。ここで彼女が演じた市原由奈役は、同作における少女漫画らしさを担う重要なポジション。浜辺演じるもう1人のヒロインのドライさとは対照的な、夢みがちで典型的な王道ヒロインぶりでスクリーンを独占したといっても過言ではない。

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 年齢的にもまだ学生役が多い一方で、2019年に出演した『黒蜥蜴-BLACK LIZARD-』(NHK BSプレミアム)での一人二役をはじめ、WOWOWの『連続ドラマW 華麗なる一族』のような作品から時代劇まで、映像演技においてもすでに様々なジャンルをこなしているのも強みのひとつであろう。そうした経験値の豊かさは、現時点での彼女の最も得意とする“ヒロイン役”という立ち位置もまた豊かなものにしていく。

 『夢中さ、きみに。』(MBS)での大西流星パートでのヒロイン役として、内気な文学少女を演じたと思えば、『消えた初恋』(テレビ朝日系)では溌溂とした印象がありつつもちょっと抜けたところのあるヒロイン。実話を基にした映画『20歳のソウル』では主人公に寄り添うオーソドックスなヒロインを演じたり、Sexy Zoneの佐藤勝利と共演した『赤いナースコール』(テレビ東京系)ではなんとも奇特な世界観のミステリーに巻き込まれていくヒロインと、一口に“ヒロイン役”と括ってもタイプは異なる。いずれも通り一遍なものにならず、各々の作品における理想的なヒロイン像を器用にこなしている印象だ。

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