橋本淳×稲葉友、尊敬し合う役者としての姿勢　「一緒に仕事ができるのは幸せ」

絆を確かなものにした「コンタクトレンズ」エピソード

――すでに互いの魅力をたくさん語っていただいていますが、改めて役者として尊敬すべきところなどがあれば、語り合っていただけますか？

稲葉：あっちゃんは「職人」ですね。お芝居を見ていていつもすごいなと思っています。

橋本：恥ずかしいね。

稲葉：ひとつひとつを積み重ねた上での芝居をしているんだろうなと外から見ていて感じていたのですが、久しぶりに共演してみてもやっぱりそうだなと。あとは物事に対して共感できることが本当に多くて、一緒にいて心地いいんです。すごい些細な話なんですが、どこかで話したいと温めていたこと、いいですか（笑）？

橋本：どうぞ（笑）。

稲葉：僕らはふたりともコンタクトレンズをしているんですが、クランクインするタイミングとか、何か節目のときは新しいものに変えたいよねと。でも、クランクイン当日に変えてしまうと、もしゴロゴロして気持ち悪かったら嫌だから前日にする……という話をしたらあっちゃんもそうだって（笑）。何でもない話だと思うんですが、準備に対する意識とか、切り替える意識とか、何を不安に思うのかとかが、このエピソードで「一緒じゃん！」って（笑）。もともと信頼をしていた人でしたが、さらに絆は深まりました。

橋本：コンタクトユーザーで良かった（笑）。本当に友くんはいいところばっかりです。芝居に品があるんですよね。それは彼が無意識下的に、やりすぎない度合いをちゃんとわかっているからだと思います。彼の細かい仕草、声色、そのひとつひとつが心に焼き付くんです。だから、ちばしんとしての最後のシーンも友くんに引き出してもらったとしか言えないですね。人の心に自然に残るような芝居ができる俳優に僕もなりたいなと思わせてくれました。またぜひ共演させてください。（急に丁寧になり頭を下げながら）

稲葉：すごくうれしいこと言ってくれているのに、急に距離作ってない？（笑）。

橋本：恥ずかしくなったから（笑）（実際に座っていた位置をずらす）。

稲葉：最後にめっちゃ離れていくからびっくりだよ（笑）。

橋本：これはお世辞ではなくて、心に自然に残る芝居ができる人ってなかなかいないんです。どうしても俳優は席を奪い合う職業でもあるので、何かしら爪痕を残さないといけない、自分の痕跡を残したいと思う方が普通なんですが、友くんはそうではなくて。そんな俳優と一緒に仕事ができるのは幸せでした。

稲葉：本当に嬉しいです。

――最後に本作を通して届けたいメッセージなどがあればお願いいたします。

稲葉：じゃあ、僕から。人間誰しも生きていれば何かしらあると思うんです。本作は観てくださる方の痛いところや痒いところ、くすぐったいところに、優しく届く作品になっています。でも、かといって、悩んでいるときに観てほしい作品というわけでもなくて、レイトショーでもモーニングショーでも、雨でも晴れでも、どんなときに観ても楽しめる作品なのではないかなと。エンタメに救いを求めたい！　でも、激しいのは……というときにこそ、観ていただきたいです。

橋本：人生にはレールのようなものはないと思うんです。でも、誰かが勝手に敷いてしまうことはままあるわけで。そして、そのレールから外れた人を突き放す社会でもあったりする。でも、外れても人生は続いていくし、そもそも自分でレールは敷いていけばいいんですよね。その中で他者に触れて救われたり、救ったりしていく。本作は人生って、人付き合いってそんなに難しいことじゃないと思わせてくれるものになったんじゃないかと。僕自身もモノクロにしたいような記憶はたくさんあるんですが、それを色付けしてくれたり、素敵なものに変えてくれる癒やしのような力を持った映画になりました。きっと誰かの救いになる作品だと思うので、気負わずにふらっと映画館に訪れて、ゆっくり楽しんでいただけたら嬉しいですね。

■公開情報
『よっす、おまたせ、じゃあまたね。』
6月16日（金）より、渋谷シネクイントにて1週間限定レイトショー
6月23日（金）より、アップリンク吉祥寺、kino cinéma 立川高島屋 S.C 館ほか全国順次公開
出演：橋本淳、稲葉友ほか
監督：猪股和磨
脚本：鳥皮ささみ
音楽：KiQ
エグゼクティブ・プロデューサー：竹内崇剛
プロデューサー・編集：篠田知典
撮影：平井諒
照明：富谷颯輝
録音：小濱匠
衣装：庄司洋介
ヘアメイク：山田亜美
部屋装飾：藤本楓
助監督：志筑司
制作担当：井口慶
宣伝美術：橋本興平
製作：「よっす、おまたせ、じゃあまたね。」製作委員会
配給：SPOTTED PRODUCTIONS
©️「よっす、おまたせ、じゃあまたね。」製作委員会
公式サイト：https://yosuoma-movie.com/

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＜応募締切＞
6月30日（金）