『大病院占拠』アクションで新しい顔を見せた櫻井翔 視聴者を巻き込む鬼役への“考察”

『大病院占拠』視聴者を巻き込む鬼役の考察

 10人の鬼たちによって占拠された界星堂病院。気付かれないよう潜伏していた三郎(櫻井翔)だったが、鬼にみつかり自爆型ドローンのターゲットになってしまう。黄鬼との格闘の末にエアダクトに逃げ込んだ三郎は、ICUに裕子(比嘉愛未)たち人質が閉じ込められている部屋を発見。間一髪のところでエアダクト内に現れたドローンの追撃から逃れ、白鬼を制圧することに成功するのだが、今度は裕子を人質にされ鬼たちに呼び出される。一方、鬼たちは病院内の様子をライブ配信で伝える「百鬼夜行ちゃんねる」の準備を着々と進めるのである。

 1月21日に放送された『大病院占拠』(日本テレビ系)第2話は、序盤からたたみかけるようなアクションの多さなどで視覚的に楽しませてくれる。ドローンから逃れるために吹き抜けから飛び降りてみたり、黄鬼との二度にわたる格闘に加え、鬼たちが集まったリハビリ室に薬品を撒き散らして火を起こし、3階の高さから落下しそうになる裕子を助けたのも束の間、三郎が屋外へと落とされる。救急車に乗せられるもすぐさま目を覚まし、県警の指揮本部にやってくるあたり、三郎というキャラクターのタフさが窺える。そしてなんといってもエアダクト内で三郎に接近する自爆型ドローンを影で見せるというスリルはたまらない。

 そんな三郎がスマホで撮影した内部の様子とともに指揮本部に伝える鬼たちの特徴。リーダーである青鬼と常に一緒にいる赤鬼。格闘を繰り広げた黄鬼は軍事経験者であると見立て、黒鬼・白鬼・桃鬼は女性であると、少しずつではあるが鬼たちの情報が整理されていく。第1話での鬼たちの登場シーンを振り返ってみれば、緑鬼は病院内のトイレに爆弾をセットした“足を引きずった男”であると考えて間違えないだろうが、掠奪された救急車から降りてきたのは8名だけ。全部で10名いるとなると、もう1名もまた病院内にいたと推測できるわけで。

 例によって第1話の放送中から、お面に隠されていない口元や仕草、ボイスチェンジャーでは隠しきれない喋りかたの癖などから“鬼役”のキャストの特定がSNS上では大いに盛り上がり(特に青鬼に関しては最有力候補の名がトレンド入りを果たしたほどだ)、もはや昨今のテレビドラマの流行りかたのひとつである“考察”がストーリーではなくキャスティングに及んでいる点は興味深い。たしかに視聴者の興味を保ち続ける“考察”の力を借りながら、物語を変に深読みさせないあたりは得策かもしれない。

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