美 少年 藤井直樹の芝居のセンスが光る 『トモダチゲームR4』紫宮の甘い口調と冷酷な言動

『トモダチゲームR4』藤井直樹の芝居が光る

 『トモダチゲームR4』(テレビ朝日系)第6話で、集められた16人が描く社会の縮図。「友情の檻ゲーム」というネーミングにも意味を探してしまうのは、考えすぎだろうか。

 「ドミノ16万個を並び終えればクリア」。気が遠くなるような課題だが、協力し合えば完遂できる。けれど集められた16名は、初対面の者や年齢が異なる者、そればかりか腹に一物ある者まで。「友達」である友一(浮所飛貴)、天智(佐藤龍我)、四部(井上瑞稀)、ゆとり(横田真悠)の関係も、まだかさぶたのような状態だ。ましてや、大金が動く「大人のトモダチゲーム」。悲しいかな、さあ頑張ろうと円陣を組むような曇りなき仲間意識が、容易く芽生えるはずもない。運営の布袋(杉本哲太)が、あえて上下関係や優劣を示してかき乱し、ゲームにおける悪手の見本を示すように追放されたことで、参加者たちのパワーバランスが動き始める。

 友一には、おそらく何かしら考えがあるだろう。違和感を感じたのは、ゆとりと四部だ。ゆとりについては、男性陣への言動がどこか不自然で、最後にはわざと追放されたようにも見えた。四部は、多数決で種田(小越勇輝)側に意見を変えた点がどうにも彼らしくない。もちろん、父親の不祥事やその後の拘束により、かつての四部ではないかもしれない。けれど彼は、鬼瓦(猪狩蒼弥)ほどではなくとも、単純で朴直、思い立ったら一直線な性格だったはず。それは志法(久保田紗友)へのアプローチや、第2ゲーム「暴露スゴロク」で見せた自己犠牲にも表れていた。四部が友一と話していたこと、それが今回の四部の行動と関係があるようにも思うし、友一が現状をひっくり返すキーなのではないかと推測する。

 種田は、16名のなかでいち早くゲームの本質を掴み、行動に移した一人だ。集団におけるパワーバランスを素早く見極め、ポジションとキャラクターを設定し、味方を作る。たとえ思うところがあろうと、民主主義的解決に委ねる。彼のように自我をコントロールできる人間が、複雑な世の中をうまく泳ぐ隠れた強者なのかもしれない。友一のような切れ者は毒にも薬にもなるし、クロキ(深水元基)のような肉体的強者が力でねじ伏せれば必ずハレーションは起こる。しかし、勝たないが負けない、そんな種田の器用すぎる立ち回りが正しいか否か、平和的か否かはまた別の話で、どうやら今度は彼が争いの火種となってしまうようだ。

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