見上愛は“追い続けたい”女優だ 『光る君へ』『119』『風、薫る』などで進化する表現力

見上愛、“追い続けたい”女優としての魅力

 飛ぶ鳥を落とす勢いを見せる女優・見上愛。彼女が持つ独特な魅力はいったい何なのだろうか。

 先日、2026年度前期連続テレビ小説『風、薫る』の主人公の一人を見上が務めることが発表された。NHK大河ドラマ『光る君へ』での評価も高く、制作統括の松園武大は「その表現力と存在感、そしてチャーミングな人柄に惹(ひ)かれて、今回オファーしました」と明かしている。(※1)会見では涙を浮かべながら「みなさんの1日が素敵になる手助けというか、そのきっかけを作れるようなドラマに出させていただくのが、ものすごく光栄なことだなと思います」と語った。(※2)

見上愛「心に届くような物語を」 “初めてづくし”の朝ドラヒロインとしての覚悟

2026年度前期連続テレビ小説『風、薫る』の制作発表・主演会見が1月24日にNHK放送センターで開かれ、主人公の一人を演じる見上…

 また、現在は『119 エマージェンシーコール』(フジテレビ系)に出演中。2月3日に放送を控える第3話では見上演じる新島紗良にフォーカスが当てられる。彼女は普段から淡々と仕事をこなし、優秀だが人付き合いはあまり得意ではないタイプ。近寄りたいけど話しかけにくい、何か見えない壁に阻まれているような空気感を作り出している。第3話の予告では英語で応対する姿やトイレでしゃがみ込む姿などが映されており、今後のストーリーによっては彼女が抱えている心の苦しさも理解できるのかもしれない。

『119エマージェンシーコール』©︎フジテレビ

 彼女から溢れ出る落ち着きと安心感は、主人公の“親友役”としてその力を発揮してきたように思う。ドラマ『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)では、ヒロインの瞳(奈緒)の学生時代からの親友で、瞳に好意を持っている圭吾(深澤辰哉)にずっと片思いをしている美奈子というキャラクターを演じ切った見上。いわば三角関係だが、瞳が結婚直前に父親の余命を知らされるという辛い状況に置かれた際、美奈子は瞳への片想いを拗らせる圭吾とともに、親友として彼女のことを支える。命と向き合う瞳と彼女の父親に触発されて、隠し続けてきた自分の気持ちに正直になろうとする葛藤がそこにはあって、美奈子のことももっと知りたいと思える表現力を発揮していた。

 また、同じ大学に通う男女5人を描くドラマ『マイダイアリー』(テレビ朝日系)では、ヒロインの優希(清原果耶)とまひる(吉川愛)と大学1年生の時から仲良しで、絵を描くことが得意な愛莉を演じている。3人または男子を含めた5人で集まっても、どこか心を閉ざしているような彼女。特に、同じ教育学部で教員を目指している優希とまひるに、教師以外の道を考えていることを打ち明ける時の、意に反して涙をこぼし、何も話せなくなるさまを演じ切ったシーンには誰もが魅入られることだろう。ドラマを観ているというよりも、本当に親友から大事な話を聞かされているような没入感があるのだ。

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