堀田真由が『御上先生』で与えた衝撃 イメージ一新した“殺人犯”役でさらなる飛躍の予感

日曜劇場『御上先生』(TBS系)は、若手からベテランまで力のある俳優たちが一堂に会している作品だということは、まだドラマがはじまったばかりの現段階でも、多くの視聴者が認識しているところだろう。そんな作品に、思いがけぬかたちで堀田真由が登場した。しかも演じているのは本作において、超重要キャラクターだといえるであろう存在だ。すでに実力者として広く認知されている堀田だが、ここで俳優としての自身のイメージを一新し、さらに広く知られることになりそうである。
本作は、まったく新しい学園ドラマ。文部科学省のエリート官僚・御上孝(松坂桃李)が名門校・隣徳学院の3年生の担任となり、日本の教育現場を侵す腐敗した権力に立ち向かっていくさまを描くものである。物語のメインの舞台が学園ながら、「日曜劇場」らしい骨太な展開が続いている。しかし、そのはじまりはなかなかにショッキングなものであった。国家公務員採用総合職試験の会場で、殺人事件が起きるところからこの物語は幕を開けたのだ。

そう、この犯人の真山弓弦を演じているのが堀田である。事件のシーンではその姿が衣類に覆われていたため、いったいどんな人間なのか、そして誰がこれを演じているのかは分からなかった。けれども第2話のラストでその正体が明らかとなり、堀田が演じていることも判明。これには多くの視聴者が衝撃を受けた。試験会場で殺人事件を起こすような人物像と堀田のイメージは、どうにもうまく結びつけられない。しかし、御上の前で真山弓弦が口を開くなり、納得した。
彼女が口にした「受験会場で一番いけすかない奴を殺そうと思ってたんだ」というセリフは脚本に記されているものなのだろう。その内容からして完全に悪人の発する言葉だ。しかし、これをどのような調子で発するのかによって、キャラクターの印象は大きく変わってくる。狂気じみた感じなのか、サイコパス要素を感じさせるものなのか。堀田が立ち上げた真山弓弦像は、このどちらでもなかった。
彼女は狂ってはいないし、冷徹なサイコパスでもない。不敵な笑みを浮かべて「テロ」や「革命」などと口にする、稚拙な考えを持つ人物だ。しかしこの稚拙さは、非当事者の私が安全地帯であるお茶の間で抱いた印象でしかない。彼女にとっては切実な望みなのかもしれないのだから。
先述した残酷なセリフを、じつにフラットに堀田は発した。これはつまり、言葉そのものは残酷だが、そこに大した意味はないことを示しているのではないだろうか。だから私たちはいまのところ、彼女のことをまったく掴めていない。これからより真山弓弦という人物像が明らかになっていくにつれ、この言葉の裏側にある彼女の真意を私たちは知ることになるのだと思う。俳優・堀田真由の勝負はこれからだ。
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