『悪女(わる)』麻理鈴の顔から消えた笑顔 高橋文哉演じる山瀬の告白に心がつかまれる

『悪女(わる)』麻理鈴の顔から消えた笑顔

「仕事で必要とされる喜びを、手放さない」

 JK5(=女性の管理職五割計画)が本格的に始動したオウミでは、上昇志向のある女性が重宝されるようになった。働くことが大好きで、出世を目指してきた麻理鈴(今田美桜)は、オウミが求める女性社員のロールモデルだと言えるだろう。峰岸(江口のりこ)に見込まれて、管理職候補となった女性の育成プログラムを担当することになる。

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~

 すべてが、順風満帆に進んでいくはずだった。女性たちが働きやすい環境を作り、オウミに新しい風を吹かせる。川端(近藤春菜)をはじめ、多くの女性が目を輝かせたはずだ。そんな改革が、実現したらどんなに素敵だろうか……と。しかし、『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ系/以下『悪女(わる)』)第9話では、社内に暗雲が立ち込める。

 他人に必要とされるのは、喜ばしいことだ。だから、管理職候補に選ばれた女性社員たちも、気合を入れて頑張っていたのだろう。活躍すればするほど、給料が増えて出世につながっていく。仕事は、誰かに必要とされることの喜びを、ダイレクトに感じさせてくれるのだ。お金のためというのももちろんあるが、私たちは必要とされたくて働いているのではないだろうか。2児を育てるワーキングマザー・間宮(桜井ユキ)も、その喜びを感じるために、仕事と育児の両立に奮闘してきた。

悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~

 しかし、出世をすると背負わなければならない責任が増えていく。子どもが熱を出したからと言ってすぐに退社できるわけではない。自分が好きな仕事だけをやっているわけにもいかなくなってしまう。仕事に尽力した代償として、間宮の家庭は崩壊。エンジニアの仕事をする時間が減ることに不安を感じた川端は、退社を決意する。

 JK5のせいで、ギスギスした空気になってしまったオウミ。“こずるく、たのしく、成り上がる”をモットーにしてきた麻理鈴の顔からも、笑顔が消えていく。

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