『悪女(わる)』麻理鈴の顔から消えた笑顔 高橋文哉演じる山瀬の告白に心がつかまれる
心の支えになっていた峰岸も、すっかり変わってしまった。人を駒のように扱い、やる気のない人は簡単に切り捨てる。つらい思いをしているのは、追いやられた男性社員だけではない。JK5を成功させるために、ガラスのヒール(=実力以上のポストが与えられること)を履かされたエミリ(ソニン)をはじめ、女性管理職の面々も苦しんでいる。ならば、この計画は誰のために行われているのか。
T・Oさん(向井理)は、“爽やかないい人”では終わらなかった。若くして出世した彼は、多くのものを犠牲にしてきたのだろう。そのひとつとして、“良心”も失ってしまった。女性管理職を増やすために、男性社員の粗探しをして会社にリークをする。粗がある男性社員にも非はあるが、涼しげな顔をしてリストラの根回しをしていたのが恐ろしい。
不穏な空気が漂っていた第9話で、癒しを与えてくれたのが、山瀬(高橋文哉)だ。昨年放送のドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)の時にも思ったが、高橋は先輩に恋心を寄せる素直な後輩が似合う。子犬のようなキュルっとした瞳に、初々しい笑顔。「田中先輩のことが、好きだから!」と一生懸命想いを伝えた場面には、思わず心がつかまれた。麻理鈴への恋心は成就しなかったが、“後輩”として彼女を支えてくれる存在になるだろう。
次週、いよいよ最終回を迎える『悪女(わる)』。峰岸に反発した麻理鈴は、オウミで生き抜くことができるのだろうか。麻理鈴が魅せる“悪女”な姿を、最後まで見届けよう。
■放送情報
『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:今田美桜、江口のりこ、鈴木伸之、高橋文哉、向井理
原作:深見じゅん『悪女(わる)』(講談社『BE・LOVE』)
脚本:後藤法子、松島瑠璃子
演出:南雲聖一、内田秀実、山田信義
プロデューサー:諸田景子、小田玲奈、大塚英治、平井十和子
チーフプロデューサー:田中宏史
主題歌:J-JUN with XIA(JUNSU)「六等星」(First JB music)
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/waru2022/