『カムカムエヴリバディ』五十嵐はなぜひなたとの別れを選んだのか 演出に聞くその理由

『カムカム』五十嵐の決断に込められたもの

 ひなた(川栄李奈)と五十嵐(本郷奏多)の衝撃の別れが描かれた『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第89話。演出の松岡一史は突然のこの展開について振り返る。

「本作ならではの展開の速さで視聴者の方々も困惑されるんじゃないかなと感じつつ、第18週で夏祭りのシーンがあったりこれまでも至るところで稔(松村北斗)と安子(上白石萌音)、錠一郎(オダギリジョー)とるい(深津絵里)が恋愛を育んできた過程をなぞるような展開がひなた編でもあったと思います。今回もこの作品ならではの“積み重ね”を感じてもらえるのではないかと思います」

 確かに稔は親からの反対と親が進めた見合い結婚のため、錠一郎はトランペッターとして芸能事務所との契約が決まった後に突如トランペットが吹けなくなり夢破れたことで、それぞれ安子とるいという大切な人に一度は別れを告げている。それでも縁あって2組とも後に結婚し家庭を築いている。

 また、五十嵐の描き方については「字面と出来事だけ切り取って見ると五十嵐がひどい人間に見えてしまうかもしれませんが、そうはならないように彼の心情に寄り添いました。ひなたが辛いだけではなくお互いに独りよがりな部分を抱えながらも自分の目標、生き方に誠実に向き合った結果、別れを選んだという流れが伝わるように意識しました」と語った。

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