広瀬すずが『津田梅子』で体現する“選ばれてしまった人” 田中圭との掛け合いにも期待

『津田梅子』広瀬すずと田中圭の競演に期待

 そんな奥ゆかしくシャイな部分と、「それでも自分が」と奮起できる負けず嫌いさの両面を絶妙なバランス感で持ち合わせているのが広瀬の最大の魅力で、唯一無二たる所以にも思える。どんなヒロインにだって、華やかで輝かしい活躍だけではなく、その裏で人知れず流した汗や涙があるという土臭さのようなものが眩しく一気に立ち上る。それが彼女の演技にもある無防備さや余白、彼女が演じるキャラクターにある“隙”に繋がっているのではないだろうか。それゆえ、広瀬が演じるヒロインをついつい応援したくなってしまう。また“選ばれてしまった人”も、“選ばれてしまった人”でい続けるためには相当な精神力と自分自身を信じ抜ける強さ、タフさが必要なことを本作の梅子と、梅子役の広瀬自身が体現してくれる。

 広瀬をはじめ出演者たちの流暢な英語を聴けるのも本作ならではの楽しみだろう。新5000円札に描かれる梅子と、かつて千円札の肖像に用いられた伊藤博文の交流も見応えがありそうだ。そもそも梅子の初の留学時に同行した岩倉使節団の一員だったのが伊藤だ。後に初代首相となる伊藤博文役を演じる田中圭と広瀬扮する津田梅子の掛け合い、化学反応も必見だ。

 ここのところ、困り顔が似合うお茶目な役どころが続いていた田中圭だけに、この偉人をどんなふうに人間臭さをスパイスに振りかけながら蘇らせてくれるのかにも期待が高まる。

■放送情報
『津田梅子 ~お札になった留学生~』
テレビ朝日系にて、3月5日(土)21:00〜放送
出演:広瀬すず、池田エライザ、佐久間由衣、宮澤エマ、平岩紙、井之脇海、ディーン・フジオカ、田中圭、内田有紀、伊藤英明、原田美枝子
脚本:橋部敦子
監督:藤田明二(テレビ朝日) 
音楽:葉加瀬太郎
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)
山形亮介(角川大映スタジオ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:角川大映スタジオ
(c)テレビ朝日

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