広瀬すずが『津田梅子』で体現する“選ばれてしまった人” 田中圭との掛け合いにも期待

『津田梅子』広瀬すずと田中圭の競演に期待

 広瀬すず主演のスペシャルドラマ『津田梅子 ~お札になった留学生~』が3月5日にテレビ朝日系で放送される。

 2024年度に発行される新5000円札の顔となる女子教育の先駆者で津田塾大学創設者・津田梅子の青春時代が描かれる。日本初の女子留学生として、さらにその中でも最年少の6歳で米国に渡り、17歳に帰国。その後25歳でアメリカに再留学するまでの期間がメインストーリーとなるようだ。

 まだまだ女性に教育の機会が開かれていなかった明治時代に、女性の自立を掲げ邁進する姿を広瀬すずが好演する。実は筆者もこの津田塾大学出身だが、津田塾生を表す際によく用いられる形容詞“骨太”に、まさに広瀬すずは当てはまるだろう。芯がありちょっとやそっとではへこたれない。

 またミソなのが、梅子自身は、もちろん年齢から考えてもお察しの通り、自らの意思で米国留学に名乗りを上げたのではなく先進的な考えを持つ父親(伊藤英明)から半ば強引に留学を勧められたことだ。梅子は望むと望まざるとにかかわらず“選ばれてしまった人”だ。その抗えない宿命を自身の天命として受け入れ自分が果たすべき役割に突き進む姿は、どこか広瀬自身とも重なるところがある。

 元々、お芝居に興味があったわけではないながら、映画『海街diary』で新人賞を総なめにし、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』、『ちはやふる』シリーズ、ドラマ『anone』(日本テレビ系)と自身の代名詞ともなるような代表作に立て続けに主演として抜擢された。朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)ではヒロインを熱演し、高校生時代から30代後半までを演じ切った姿も鮮烈だった。順風満帆に見える俳優キャリアの中でも本人は何度も辞めたいと思っていたが、それを口にすることもできなかったと『情熱大陸』(MBS/TBS系)のインタビューで明かしていたのが印象的だった。それでも自身の「負けず嫌い」を同世代の俳優に刺激され、何とか続けて来られたとも話していた。広瀬も紛れもなく自分の意志にかかわらず“選ばれてしまった人”だ。

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