『真犯人フラグ』黒幕をめぐる3つの可能性 香里奈演じるバタコもついに姿を現わす
真帆(宮沢りえ)と林(深水元基)の不倫疑惑が世を騒がせ、凌介(西島秀俊)の家に突然現れた朋子(桜井ユキ)は引き出しの中からDNA情報鑑定センターの封筒を取り出す。そして語り出す、真帆から打ち明けられたという11年前の出来事。これが本当のことなのか、それとも朋子の作り話なのかはわからないが、いずれにせよ12月12日放送の『真犯人フラグ』(日本テレビ系)第9話は“真相編・序”と銘打たれたエピソード。まだすべての答えは見えてこないにしろ、それにつながるであろう重要なヒントが怒涛の如く散りばめられていった。
11年前の大学サッカー部の同窓会で、林と知り合った真帆(その際に『あなたの番です』(日本テレビ系)の久住譲が満を持して登場したわけだが、それについてはとりあえず置いておこう)。当時お受験をめぐってボスママから嫌がらせを受け、凌介は単身赴任中だったこともあり誰にも頼れずにいた真帆は、意気投合した林に誘われるままにホテルの一室へと入っていくのである。その話を聞いてショックを受けた凌介は、直接林に詰め寄るがしらを切られてしまう。そして凌介は、バー「至上の時」で河村(田中哲司)や瑞穂(芳根京子)たちに朋子から聞いた一連を話す。林への疑念が深まるなかで瑞穂と一星(佐野勇斗)は、真帆と林が共謀しているのではないかと考えるのである。
ここで気になるのは、前回のエピソードのラストで林が握りしめていたスマートフォンにあった一枚の写真。そこに写っている真帆と林がホテルの一室に入ろうとしている姿は、今回朋子が凌介に聞かせた11年前の出来事のときのものであることがわかる。誰かが林を強請っていると推察すれば、その準備は11年前から進められていたとわかる。その林は、終盤でコインロッカーに出向き、中に入った真帆の財布を見つけたところで両角(長田成哉)に見つかり警察に追われることに。林が犯人か、真帆と共謀して失踪と見せかけているか、それとも別の黒幕から強請られているか。現時点での最重要容疑者をめぐるアンサーはこの3つに絞られるだろう。
いずれにせよ、真帆と林の密会を写真に収めたのは誰かという点が大きなポイントとなるのであろう。ちなみに11年前ということは、劇中でまったく素性がわからないキャラクターである本木(生駒里奈)は12歳と少々考えにくい。そんな本木は今回の劇中で林の婚約者である茉莉奈(林田岬優)に道端で声をかけカバンに何かを仕込んでいる。そして茉莉奈は父・幸造(長谷川公彦)と不穏な会話を繰り広げる。また、朋子の息子・清明(桑名愛斗)は道で“知らないおじさん”に「話したら殺す」と音声を使って脅迫される。これはおそらく朋子の部屋の押し入れの謎についてであり、こうしたバラバラのピースが次回の前半戦最終回でひとつぐらいは繋がるに違いない。