『カムカムエヴリバディ』の重要な“3曲”とは? 細部までこだわった制作陣の作品への愛

『カムカムエヴリバディ』の重要な“3曲”

 放送4週目に入ったNHK 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。先週放送の第15話は、まるで最終回と言ってもいいほどの多幸感に包まれた15分間であった。しかし、最後のナレーションがすべて過去形だったことが、今週からの“戦争週”の始まりを予感させてもいた。

 そんな不穏な気配を漂わせながらも、第16話では、稔(松村北斗)と安子(上白石萌音)の娘「るい」が誕生。男の子でも女の子でもどちらでも受け入れられるものとして、稔が残していった名前だ。由来は稔と安子にとって大切な曲である「On the Sunny Side of the Street」を歌った「ルイ・アームストロング」から。「On the Sunny Side of the Street」は、稔と安子の“初デート”でも、喫茶店「Dippermouth Blues」のBGMとして流れていた思い出の一曲だ。

 『カムカムエヴリバディ』にはラジオをはじめ、さまざまなテーマが込められているが、その中のひとつとして音楽も重要な要素だと制作統括の堀之内礼二郎は語る。

「『On the Sunny Side of the Street』は安子と稔の思い出の曲として、この後にもずっとつながっていく大事な一曲です。るいが主人公の第2部ではJAZZの話もたくさん出てくるので、音楽は本作にとってとても大事な要素となっています。さらにそれ以外にも、ラジオ、英語、和菓子、時代劇と3世代にわたって多岐にわたるテーマが散りばめられているので、藤本有紀さんの脚本の豊かさには驚くばかりです」

 続けて、本作は「重要な3曲」があると堀之内は続ける。

「1曲目は先程もお話した『On the Sunny Side of the Street』。2曲目は本作の主題歌であるAIさんの『アルデバラン』。そして3曲目はこれから劇中にも登場してくるNHKラジオ英語講座、通称『カムカム英語』のオープニング曲。『On the Sunny Side of the Street』はその歌詞のとおり、『陽の当たる道を歩こう』と安子、るい、ひなたのヒロインたちに寄り添い背中を押す楽曲として、作品全体の象徴のような曲です。『カムカム英語』のオープニング曲は、戦後の日本と安子を含めた多くの日本人の心を明るくした歴史的にも大事な曲として。そして、『アルデバラン』は、“太陽”のような存在いいますか、ドラマの外側から作品を照らして世界に光や鮮やかな色を与えてくれる一曲ととらえています」

 第8話では安子の思いに重なるようにオープニングではない形で「アルデバラン」が使用される演出もあった。今後もこの演出はあるのだろうか?

「第8話放送後には視聴者の皆さんからの反響が予想以上でした。だからと言って頻発しては台無しなので(笑)、大事にしていきたいと思っています」

 音楽に加え、『カムカムエヴリバディ』には料理や美術など、細部にもさまざまなこだわりが施されている。



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