『カムカムエヴリバディ』の重要な“3曲”とは? 細部までこだわった制作陣の作品への愛

『カムカムエヴリバディ』の重要な“3曲”

「本当にスタッフ全員がドラマを愛して制作してくれています。安子や稔が大阪から岡山へと帰る電車のシーンがありました。あのシーンは、電車の箱のようなセットをスタッフが人力で動かして、そこに照明スタッフが何度も長い棒を持って移動しながら通り過ぎる電信柱の影を作って、本当に電車が走っているように見せているんです。そういった小さな工夫の積み重ねによって各シーンが出来上がっています。また、料理のシーンでは、登場人物が食事を用意するシーンで遠く離れた岡山のことを思い出すシーンがあるんです。ここで包丁で切るものは何でも良かったのですが、料理指導の広里貴子さんが岡山の名産品であるニラを用意して下さって。手元が映るかも分からないのに、役者さんが演じやすいように、何かを考えるきっかけになるように、細部まで手を抜かずに考え抜いてくださっているんです。本当に頭が下がります。『神は細部に宿る』と言いますが、各スタッフが呼吸をするように細部までこだわってくれているのが、画面を通しても伝わっているのではないかと感じます。本作はラジオ英語講座が大きなテーマのひとつですが、それも“積み重ね”の象徴なんです。毎日少しの時間でも積み重ねていけば語学の取得につながる。この積み重ねは本作の中でも描きたいことでした。安子からるいへ、るいからひなたへ、積み重ねてきもたものが繋がっていくように作品自体も形づくられています」

 毎朝15分の積み重ね、朝ドラという歴史の積み重ね。『カムカムエヴリバディ』が積み重ねてきた背景にも目を向けると、より作品を楽しめるかもしれない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

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