『真犯人フラグ』“不倫疑惑”写真を巡る謎を考察 桜井ユキ演じる朋子の行動は要注意?
2週間ぶりの放送となった日曜ドラマ『真犯人フラグ』(日本テレビ系)。前回の終盤の流れをおさらいしておくと、一星(佐野勇斗)のスマホに入っていたカップル専用アプリで光莉(原菜乃華)の現在地が割り出され、山奥のトンネルに行った凌介(西島秀俊)たちはそこで光莉のスマホと真帆(宮沢りえ)の指輪を発見する。そして警察には凌介が真帆たちの失踪直前に生命保険の契約をしていたという匿名のタレコミが寄せられるのである。
11月7日に放送された第4話で描かれたのは、この生命保険契約をめぐってさらに大きくなる凌介への疑惑だ。もちろんまだ2クールの前半のさらに前半で、まだアンサーへと近付く確かなものが提示される段階にはない。いくつもの疑問点、伏線やフラグが積み重ねられていくにとどまるわけだが、その中でも今回のエピソードで登場した“不倫疑惑”の写真をめぐる一連と、山奥のトンネルで見つかった女性のものと思しき足跡、そして朋子(桜井ユキ)の怪しい行動にはとくに注意しておく必要がありそうだ。
保険会社に阿久津(渋川清彦)たちが捜査に来たことがSNSで拡散され、瞬く間に尾ヒレがつけられワイドショーで生命保険に関する疑惑が報じられる。亀田運輸に苦情電話が殺到し、支社長から呼び出された凌介は記者会見を開き、身の潔白を説明するように求められるのである。瑞穂(芳根京子)に協力してもらいながら応対を練習した凌介は、記者会見の場で突然突きつけられた不倫疑惑をうまくかわすのだが、そこで記者から飛び出したのは一部の関係者しか知らない冷凍遺体についての質問だった。その情報を公にしたYouTuberのぷろびん(柄本時生)は、何者かからネタ提供のメールを受け取っており……。
劇中で「目につくもの全部敵に見える」と嘆きを漏らす凌介に対して瑞穂が語る、「沈黙の螺旋理論」。孤立恐怖を前提として、少数派と多数派の差がごくわずかであっても、前者だと認識している人々は沈黙してしまい、後者だと思っている人々は声高に主張するようになる。60年代にドイツで提唱されたこの仮説は、このドラマのテーマに極めて密接につながっており、それはつまり現実社会にも通じているということでもある。SNSによってさも正しいように流布される“多数派”の説や、マスメディアの闇雲な情報と、それらに世論が流される構図。これもまた、終盤まで頭の隅に置いておきたい重要なキーワードかもしれない。