『真犯人フラグ』最初の大きな伏線は凌介のキーホルダー? 西島秀俊にも秘密の予感

『真犯人フラグ』初回から張られた伏線を探る

 秋元康が企画・原案を務め、2クールにわたって放送される“第二の『あなたの番です』”こと『真犯人フラグ』(日本テレビ系)が10月10日にスタートした。

 作品のイントロダクションに掲げられた“一億総推理作家時代”というものが一体いつから始まったものなのかはさておき、こうしている間にもSNSなどネット上ではあらゆる事件に対して(半ば私刑的な処罰感情を含めて)さまざまな“考察”が飛び交っているのは紛れもない事実であろう。もちろんこの記事も含めた映画やドラマなどの作品に対する解説や考察記事の類もその一端を少なからず担っているわけで、とりわけそれが活発化した『あな番』の座組みでこうした現代的な文化をサスペンスに落とし込んでしまおうという着眼点はなかなかにユニークだ。

 さて、『あな番』は新居のマンションに引っ越してきた幸せな夫婦の姿から始まったわけだが、この『真犯人フラグ』(略すならば『真フラ』になるのだろうか)は新居の建設予定地に訪れる仲の良い家族の光景から始まる。

 ある金曜日、運送会社で働く相良凌介(西島秀俊)が仕事を終えて家に帰ってくると妻の真帆(宮沢りえ)と娘の光莉(原菜乃華)、息子の篤斗(小林優仁)の姿がない。出かけているものだと思って友人の店に飲みに行き、ふたたび深夜に帰宅した凌介だったが、家にはまだ誰もいない。朝になっても誰も帰ってくる気配はなく、炊飯器には12時間保温されたご飯が残されたままだった。警察に届け出るもすぐに捜査をしてもらえそうになく、凌介は友人で週刊誌の編集長の河村(田中哲司)に相談。情報を集めるためにネットニュースで実名の記事を出すや、大きな反響を巻き起こす。しかし同時に、事件当日に凌介が飲みに行っていた写真が出回ったことで凌介に対する世間の目が変わり始めてくるのだ。

 半年も続くドラマとあって、第1話は物語の“起”の部分に徹しているに過ぎず、大きな動きはまだ見られない。それでも『あな番』同様、些細な台詞や登場人物の動きにも、今後の展開を占う伏線がこっそり忍ばされているのは間違いないだろう。いくつか気になるところを挙げれば、冒頭に登場した「エリンギサンタ事件」や、新居の予定地で出会った猫おばさん(平田敦子)、凌介の職場の上司・太田黒(正名僕蔵)の不穏な言葉、凌介が事件前夜に見ていたアニメの“シベツ”という物騒なタイトル。あえて強調するように映し出された下駄箱の傘や、瑞穂(芳根京子)から渡される会社のボールペン(これは凌介の会社が特定されるくだりで伏線回収なのだろうか)。そして駅で凌介に声をかけた謎の女性(生駒里奈)。

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