『うきわ』変化していく夫婦の関係性 麻衣子と二葉さんも進展へ?

『うきわ』夫婦の関係性が変化

「僕にとっても中山さんが“うきわ”でした」

 “駆け出したくなる”って何よりの愛情表現だと思い知らされた『うきわ ―友達以上、不倫未満―』(テレビ東京系)第7話。

 麻衣子(門脇麦)が家に帰らないと聞いて、いてもたってもいられず思わず駆け出した二葉さん(森山直太朗)。麻衣子を見つけた時に、彼は自分自身の心の中にある彼女に対するどんな感情を見つけたのだろうか。

 夫・たっくん(大東駿介)も遅れて駆けつけるも麻衣子の眼中に彼はいない。二葉さんに「中山くんもすごく心配してましたよ」なんて言われた途端、彼女の顔には“二葉さんとはそんな話しとうない”という想いがわかりやすく滲んだ。ベランダ越しに二葉さんから声を掛けられ全身に喜びが駆け上がったのも束の間「中山くんの浮気はもう終わると思いますよ。だから安心して大丈夫じゃないかな……。お互い元通りですね」と言われた時も同様だ。

 無邪気に無神経でデリカシーの欠片もなくどこまでも自分本位なたっくんが誰のことも幸せにできていない様を見るにつけ、そして佐々木くん(高橋文哉)が言う通り、麻衣子は自分が思っているよりも余程強いことを加味すれば、不倫による離婚時の慰謝料の金額を調べ「一人で生きていけちゃう?」と独りごちていたのも現実味が高くなってきているように思える。「前まではいびきを我慢できたけど、今はできない」はかなりリアルな妻の心情だろう。こちらの気も知らないで無防備に自身の隣でいびきをかいて爆睡する夫が我慢ならないし、さらには「夫に傷つけられてももう傷つけてやりたいとも思わない」と、彼に関する感情が“無”であることを明かしていた。

 何より切ないのが麻衣子が二葉さんにこぼす言葉が、それこそ正に“夫婦”そのものであることだろう。「このままおばさんになって、二葉さんもおじいさんになって。二葉さんが私を助けたみたいに、私も二葉さんを助けて。見返りなんかなしで……」。この感情を麻衣子はたっくんに抱くことはきっとこの先ずっとないのではないだろうか。社宅の廊下で「おかえりなさい」「ただいまです」と挨拶を交わす2人の姿は互いに別の部屋に帰っていくところを除けば、もはや夫婦のようでもある。

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