門脇麦「想像できないところにいきたかった」 新たなアプローチで挑んだ『うきわ』の裏側

門脇麦が語る『うきわ』の裏側と不倫への見解

 毎週月曜23時6分よりテレビ東京系で放送中のドラマ『うきわ ―友達以上、不倫未満―』は、ドロドロとしたイメージのある“不倫”という題材を扱いながらも、いわゆる“不倫ドラマ”とは一線を画した、独特の空気感のある作品だ。主人公・中山麻衣子役で、不倫に揺らぐ人妻役に初挑戦した門脇麦や、麻衣子と危うい関係を築いていく“お隣さん”二葉一役の森山直太朗のリアリティある演技も話題になっている。主演の門脇は麻衣子を演じるにあたって、これまでとは違うアプローチで撮影に臨んだという。役作りの裏側やドラマの手応えなどについて本人に話を聞いた。

「自分でも想像できないようなところにいきたかった」

ーー『うきわ ―友達以上、不倫未満―』は毎週放送されるたびに大きな話題になっています。門脇さんの元にも反響は届いていますか?

門脇麦(以下、門脇):そうですね。役者の友達や知り合いからも結構反響が大きくて。普段は滅多に連絡が来ない方からも「観てるよ」「面白い」と連絡が来たりします。

ーー“不倫ドラマ”としては、ドロドロしたものがほとんど感じられない、かなり異色な作品ですよね。

門脇:お話をいただいて原作を読んで、やると決めた時点で、今まであったような“ザ・不倫ドラマ”じゃないことをやろうとしたところがあったので、そこは絶対にクリアしなければいけないなと思っていました。なので、そう感じていただけるのはすごく嬉しいです。

ーー門脇さんご自身はこの作品にどのような魅力を感じましたか?

門脇:これまでの、いわゆる不倫がテーマとされる作品は、ストーリー展開の面白さだったり、裏切られた方の愛憎がフィーチャーされ、人間誰しもが持っている好奇心をくすぐられる作品が多かったと思うんです。この作品に関しては、物語の展開というよりも、そこにいる人間たちの感情だったりとか、もちろん不倫や浮気はしてはいけないことを前提として、なぜ彼/彼女たちがそういう選択をしたのか、というところが細かく丁寧に描かれているので、すごくリアリティがあるドラマになっているのかなと思います。

ーー原作は野村宗弘さんの漫画『うきわ』です。

門脇:脚本が上がってきた時点でとても内容が良く、原作漫画が持っている消したくない空気感がそのまま残っている印象でした。正直、私は現場でセリフを言うのみ、という感じで(笑)。なので、あの脚本を完成に持っていってくださったプロデューサー、監督、脚本家の方の功績はすごいと思います。

ーー今回、麻衣子を演じるにあたって事前に役作りをせずに挑んだそうですが、そういったやり方は門脇さんにとっても珍しいことなのでしょうか?

門脇:あまりしないかもしれないですね……。違いとしては、事前に演じる役柄の感情を想像するかしないか。ドラマや映画は、そのまま順番に撮っているわけではないことが多いので、1話撮った後に2話を撮って、また1話に戻って……みたいな感じで撮ったりするんですけど、そういうときって、ある程度点を打っておいた方が、自分的には安心だったりするんです。

ーーなるほど。

門脇:ドラマの場合は一度に最後まで台本をもらうわけではないので、読んでみないと分からないところはあるんですが、結末の感情が10だとしたら、じゃあここは3くらい、ここは7くらいって点を打ったりすると、自分の中で目安になるんです。具体的に言うと、「声のトーンはこれくらいにしていこう」とか。今回はそういう作業を本当に一切していかなかったんです。現場で(森山)直太朗さんと喋って、「あ、じゃあこんなテンションで話そうかな」と決めていく感じで。

ーー門脇さんにとっても珍しい役作りのパターンだったと。

門脇:なので現場で監督に「いつもより結構声が低いです」と言われることもありました。自分ではそのシーンに繋がる前のシーンで、どんな声で喋っていたかを覚えていないから。普段だったら「これぐらいの声にしよう」とか、役によっては自分の声を録音しておいたりもするんですけど、そういうこともしなかったんですよね。だから前日に自分がどういうトーンで喋ったかを覚えていない、みたいな感じでした。

ーーなぜ今回はそういった方法にしようと思ったんですか?

門脇:直太朗さんとの2人の会話と関係性みたいなものを一番大事にした方がいいなと思ったので。とにかく2人で、現場で作っていきたかったんです。自分でも想像できないようなところにいきたかったし、想像できない感情だったり、2人だからこそ作ることのできる空気に触れたかったので、今までのようなやり方は一切遮断していきました。

ーー実際に森山直太朗さんと演じてみて、現場で生まれるものが大きかったということですね。

門脇:本当に大きかったですね。直太朗さんが明るい方なのもあって、麻衣子と二葉さんの空気が、自分の想像以上にとても温かで明るいものになりました。原作漫画の方はちょっとしっとり、穏やかな感じなんですけど、ドラマの最後の方のシーンは清らかというか、すがすがしい空気感になりました。



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