『おかえりモネ』菅波と『G線上』理人に共通点? 安達奈緒子脚本の男性キャラの魅力

安達脚本に登場する男性キャラの魅力

 連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)第12週「あなたのおかげで」は、医師の菅波(坂口健太郎)の気になる告白で幕を閉じた。

 菅波の他人との距離感にことさら慎重な様子や、常に自戒の念を持っており自問自答を繰り返しているような姿の裏にある彼のトラウマはどんなものなのだろうか。

 どこか無愛想でドライでありながらも人のことをよくよく見ており実際には愛情深いとても魅力的な菅波だが、思い返してみるとこれは安達奈緒子脚本に登場する男性キャラクターに共通して見られる傾向かもしれない。

 本作では気象予報士の朝岡として出演している西島秀俊が『きのう何食べた?』(テレビ東京系)で見せた弁護士で倹約家のシロさん役も、少し雰囲気が似ている。シロさんも無愛想で偏屈、他人との距離感には人一倍気を使っており、決して近づきすぎてしまうことがないように細心の注意を払う。それに対して誰にでもオープンマインドで打算がなく、無邪気で無防備な恋人のケンジ(内野聖陽)のことをハラハラしつつ時に眩しく見守っている節もあった。そしてそんな正反対の存在が自分の近くにいてくれることが心強く彼にとっての救いのようでもあった。

 言葉足らずなところがあるからこそ冷たくも突き放しても見える菅波の恋模様となれば、それはそれはもうじれったさ、歯痒さが募るものだ。ヒロインの百音(清原果耶)といまだに敬語での会話を繰り広げ、互いの呼称も出会った頃から変わっていないのがまた彼らの関係性の良さでもあり、どう転ぼうが、特に今の関係性から発展しなかったとしてもそれはそれでとても尊いものにも思える。こと男女関係については何かしらの関係性に落ち着いてしまうことの方が簡単で、彼らのような関係性を維持することの方が実際には余程難しいものだろう。

 同じような感覚になるのが『G線上のあなたと私』(TBS系、以後『G線上』)での、中川大志演じる大学生の理人と主人公のアラサー也映子(波瑠)との恋愛模様だ。年下男子との恋愛ものと言えば、生意気で大胆な年下男子の積極的なアプローチに胸キュンさせられるというのがお決まりの流れだったりするが、彼らの恋愛はそう単純ではない。

 理人もまた少々無愛想ながらどこか憎めない役どころで、也映子への発言も辛辣で遠慮がない。その掛け合いが心地良かったりもするのだが、お互いのことを近くで見てきているからこそ互いの矛盾に気づき、時に言葉の刃を向け合い、一番柔らかく傷つきやすいところをえぐり合ってしまう。



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