金子ノブアキは“恋の刺客”だった? 『プロミス・シンデレラ』ドラマと原作の違いを分析

『プロミス・シンデレラ』原作との違いは?

 現在放送中の火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』(TBS系)。主人公の早梅(二階堂ふみ)が夫の浮気を見つけたことをきっかけに家を飛び出し、ホームレスになったところを性悪金持ち高校生・片岡壱成(眞栄田郷敦)に拾われて“リアル人生ゲーム”に巻き込まれていくラブコメだ。本作は現在『裏サンデー』および『マンガワン』で連載・配信中の橘オレコによる同名マンガを原作としている。イケメンのツンデレ年下に迫られる一方で、御曹司であり初恋の人・成吾(岩田剛典)と再会して三角関係になる……その“ザ・少女漫画”的な世界観は胸キュン必至だが、こういった漫画原作ドラマは少なくとも必ず再現度やオリジナル描写を巡って賛否両論巻き起こるものだ。しかし、特筆すべきは本作の原作者である橘オレコ先生本人が、ドラマ版を非常に気に入って楽しんでいることである。

 実写ドラマ化が決定した際、単行本11巻のカバー裏表紙折り返し部分に「実写ドラマ化が決定しました! お話があった時はビックリしすぎて頭が真っ白になりました……今から楽しみです!」と、コメント。続けて12巻でも「ドラマ化、とっても興奮しています。本当に本当に楽しみだなぁ。恵まれてるなぁ」と、期待の声を残している。

 漫画原作を実写化する際、どうしても読者の中では解釈違いやキャスティングなどを巡って批判的な声があがりやすい。しかし、橘先生のように作家自身が肯定的なステートメントを出し続けることで、そういったギスギスした雰囲気は軟化しやすいのだなと感じる。それは橘先生のTwitterを覗くと、より理解できるものだ。なにより、本作の面白いところはドラマと漫画が相乗効果をもたらしていること。例えば、普通ドラマを観て興味が沸いたから原作を手に取る、ということは起こりやすい。お気に入りの俳優や女優が出ていたという理由で物語にもハマり、漫画も読んでみようとなるわけだ。ところが、本作は橘先生が積極的にドラマ放送時に実況中継をし、原作にはないドラマオリジナルのシーンをイラスト化することで、ある意味逆輸入的なことをしているのだ。

 そうすることで、漫画の世界観が崩れることを恐れて実写に手を出さなかったファンも興味を持ったり、逆にドラマの視聴者も「イラストで見られて最高!」とコメントしたり、ウィンウィンの状態が生み出されている。また、作者のSNSが「原作と設定や描写が違うからドラマはダメ」ではなく、違いは違いとして双方の良さを話し合う場としても機能しているのが興味深い。

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