『青のSP』で藤原竜也が体現する命がけの教育 宮世琉弥から豊嶋花へ“演技リレー”も

『青のSP』藤原竜也が体現する命がけの教育

 パソコンルームからハードディスクとプロジェクターが盗まれた。犯人は校内にいる人間。全校一斉に指紋採取が行われる。騒然とした雰囲気の中、サッカー部の仲村(藤本哉汰)が突然笑い出し、服を脱いで飛び降りようとする。泡を吹いて倒れた仲村にはドラッグの使用が疑われた。仲村以外の部員にも同じ症状が。次から次に事件が起きる赤嶺中。何がどうなってしまったのか?

 教師の会話。自分のいる学校は「普通なのかなって。どこか見て見ぬふりをしていた」と楓(山口紗弥加)。続けざま「嶋田さんはこの学校のうみを全部出すつもりなのかも」。生徒や教師に見えていないものが、隆平(藤原竜也)に見えているのか? 疑念を焚きつける『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(カンテレ・フジテレビ系)。第3話では、その一端に足を踏み入れた。

 大人から見たら小さなことが教室の中では拡大されて見える。経験不足ゆえの視野狭窄? 隆平のやり方は容赦がない。中学生の勘違いを笑い飛ばし「何泣いてんだよ」と拳銃を突きつける。いのちの教育、いや命がけの教育。賭けるのは生徒だけじゃない。ライオンになれなかったけれど警官にはなれた隆平の人生もかかっている。というより、すでに賭けてしまっている。それは香里(明日海りお)を弔う姿から見て取れた。命を言葉でわからせることはできない。できないことに挑むのが教師だが、警察官なので実力行使をすればいい。それでもわからなければ結局わからないのだ。ここで罪と罰の出番がやってくる。

 盗みよりもドラッグのほうが罪が重く、他人に強要するとより悪質。じゃあ私が彼のためにやったことは間違っている? 彼を好きになってはいけなかった? という問いに、隆平は一切答えない。センチメンタルな地平で解決しようとしていないのだ。これまでの学園ドラマと違うのはこの点。それでも「死んだら全部終わりだろ」と口に出せるのは、隆平の優しさだろう。優しさの裏には苦しんだ過去がある。好きな人に思いが届かなくても、ライオンになれなくても、それでも自分を大切にしろと声をかける。彼女にはその一言が、それだけが足りなかったのだ。

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