『青のSP』で藤原竜也が体現する命がけの教育 宮世琉弥から豊嶋花へ“演技リレー”も
未来の主演俳優たちによる演技リレーもあった。謎のオーラをまとった宮世琉弥演じる佐々木が、盗みが発覚した途端に教室を抜け出し、走る、走る。校門に手をかけ1回で飛び越えると室内履きのまま疾走。真犯人と思わせるミスリードは、行きつけのスポーツ用品店でバトンタッチ。ここ1、2年の宮世の活躍には目を見張るものがあり、つい最近まで『恋する母たち』(TBS系)のラッパーになる高校生を見慣れた側としては、たった2、3歳差とはいえ、中学生役にたやすくなじんでしまう宮世に驚かされた。
バトンを受け取ったのは豊嶋花。1歳から子役として活躍する豊嶋。2019年の『死役所』(テレビ東京)は彼女の出演した第4話が出色だった。今作の、佐々木に思いを寄せるあまり妄想が肥大化して、気付かないうちに現実を蝕んでしまう彩花の描写は、観ていて思わず背筋が寒くなった。隆平と対峙する場面ではむき出しの感情を見せつけ、藤原に負けない迫力があった。
隆平は見えなかった問題を突きつけることで、表向きはゆっくりと、しかし内部から急速に学校を変えつつある。教師や生徒自身の変化を促すという意味では触媒のようであり、そうした中で、ついに涼子(真木よう子)は気付いてしまう。いや気付かされたと言うべきか。「何もできなかった。このままじゃだめだ」と。うみが自分たちの中にあると気づいた瞬間、それはガンに変わる。香里の死の真相に踏み込む隆平も、否応なしに同じ揺れの中に身を置くことになる。
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/Twitter
■放送情報
『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:藤原竜也、真木よう子、山田裕貴、泉澤祐希、たくませいこ、渋谷謙人、智順、兒玉宣勝、金沢雅美、音尾琢真、石井正則、須賀健太、遠藤雄弥、明日海りお、峯村リエ、升毅、山口紗弥加、高橋克実
脚本:大石哲也、山岡潤平、小島聡一郎
音楽:菅野祐悟
プロデューサー:河西秀幸、国本雅広、高橋史典
演出:国本雅広、白川士、高橋貴司
制作:カンテレ、ケイファクトリー
(c)カンテレ
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