『私の家政夫ナギサさん』自分の尺度の幸せを掴む難しさ メイの周囲に結婚相手候補が続々登場
それはアラサー男性も一緒と言われるかもしれない。でも、まだまだ女性の多くが「家事をしなければ」という思いにかられてしまうのだ。嫁入り前の女が家政夫なんて雇ってたら世間体が悪いと感じるように。そこが、火曜ドラマの先輩である『逃げるは恥だが役に立つ』の平匡(星野源)さんとは異なるところ。同じ家事代行サービスでも男女逆転するだけで、「父親だ」なんてウソをつかなければならないのだ。
でも、私たち視聴者は知っている。いっそ家政夫のナギサさん(大森南朋)と結婚すれば、メイの生活の変化が最小限で済むことを。しかも、ナギサさんも「お母さん」という夢が叶えられるということを。でも、そのメリットの合致にまだ彼らは気づいていない。そもそもメイにとって、ナギサさんは未だに謎多き存在だ。メイの父・茂(光石研)がいろいろと聞いてくれたおかげで、今は独身であることは明かされたものの、なぜメイの家族の問題をそこまで懸命にサポートしようとするのかなど、謎は深まる一方だ。
「結婚を前提に」と告白してきた医師の肥後(宮尾俊太郎)。ライバルと睨んでいたはずなのに意外と話が合うことがわかった田所(瀬戸康史)。メイの周囲には結婚相手候補たちが続々と出てくる。「結婚はタイミングと勢い」というアドバイスを真に受けるなら、担当エリアからちょうど移動する肥後との「タイミング」はバッチリ。急接近をした田所との「勢い」もある。
しようと思えば、すぐにでもできそうなメイの結婚。だが、結婚はゴールではなく、スタート。それまでお互いが1人で作り上げてきた花園を大切にしてくれる人と、新たな花園を2人で協力して築いていく始まりなのだ。果たしてメイは、母親の呪縛にもとらわれず、世間体に振り回されず、自分の尺度で幸せだと確信できる選択をすることができるのだろうか。
■番組概要
火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜放送
出演:多部未華子、瀬戸康史、眞栄田郷敦、高橋メアリージュン、宮尾俊太郎、平山祐介、水澤紳吾、岡部大(ハナコ)、若月佑美、飯尾和樹(ずん)、夏子、富田靖子、草刈民代、趣里、大森南朋
原作:『家政夫のナギサさん』(四ツ原フリコ著/ソルマーレ編集部)
脚本:徳尾浩司
演出:坪井敏雄、山本剛義
プロデューサー:岩崎愛奈(TBSスパークル)
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS