原田泰造が占う“サウナブーム”の行方と『サ道』の未来 「いろんな楽しみ方がある」

原田泰造が振り返る『サ道』とサウナブーム

 2019年7月から10月にかけてテレビ東京の「ドラマ25」枠で放送された連続ドラマ『サ道』のBlu-ray&DVDが12月25日にリリースされた。タナカカツキの“サウナ伝道漫画”を初めて実写化した本作は、“サウナ好きによるサウナ好きのためのドラマ”。原田泰造、三宅弘城、磯村勇斗扮する3人のサウナーが、サウナへの愛をひたすら語り合う。

 今回リアルサウンド映画部では、Blu-ray&DVDのリリースを記念して、主人公・ナカタを演じた原田にインタビュー。先日放送されたばかりのSPやレギュラー回の裏話から、サウナブームの行方、そして実際にサウナで遭遇してしまった場合の反応の仕方まで、じっくりと語ってもらった。(編集部)

「“ととのう”という感覚が浸透してきた」

ーー先日、まさかの特番『「サ道」2019年末SP-北の聖地でととのう-』がオンエアされたばかりですが、久しぶりの『サ道』の現場は、いかがでしたか?

原田泰造(以下、原田):やっぱり『サ道』の現場は、楽しいですよね(笑)。10月に本放送が終わったあと、特番が決まったので、特番の収録自体は、12月のはじめ頃だったんですよね。だから、収録時期が早かったんで結構久々ではあったんですけど、1年も空いてないので、そんなに久々な感じもしなくて。まあ、サウナ自体は、プライベートで、ほぼ毎日行っている感じなので(笑)。

ーーほぼ毎日(笑)。本当にサウナがお好きなんですね。

原田:はい(笑)。で、今回の特番は、観てくださった方はおわかりのように、北海道のサウナツアーというか、サウナ界では“北の聖地”と言われている、上富良野の「白銀荘」というサウナ施設と、星野リゾート OMO7 旭川のサウナプラトーをまわった感じなんですけど、両方とも本当に素晴らしくて。僕らがドラマの中で言っている“ととのった”という言葉は、もともとその「白銀荘」で生まれたとも言われていて、それぐらいの“聖地”なんですよね。なので、そのあたりを、今回の特番を通して感じてもらえたらいいなって思っています。

ーー2019年の7月に放送が始まって、10月に最終回を迎えたあと、12月には早くも特番が放送されたように、この『サ道』というドラマは、本当に多くの人たちに支持されたドラマだったと思います。その反響みたいなものを、原田さん自身も感じているのでは?

原田:うーん、番組の反響と言われると、どうなんでしょうねえ。ただ、『サ道』のドラマを観てなのかわからないですけど、最近プライベートでサウナに行っても、以前より混んでいるなっていうのは、実感としてありますよね。でも、“サウナブーム”自体は、このドラマが始まる前から……それこそ、このドラマの原作漫画である『サ道』の作者であるタナカカツキさんや、その周辺の人たちの頑張りによって、もうきていたような気がするんですよね。だから、このドラマが当たったとか、そういうことではなく、自分がよく行くサウナ施設とかでも、ドラマ『サ道』のドラマのポスターを貼ってくれているところが多かったりして。それを見るたびに、「あ、ここにも貼ってある」って嬉しさが込み上げてくるというか(笑)。そういう感じかもしれません。

ーーただ、このドラマに出演したことがきっかけになって、原田さん自身、いろいろなところに呼ばれたり、取材を受けたりする機会が多かったのではないですか?

原田:ああ、そうですね。フィンランドの“サウナアンバサダー”に選ばれて、フィンランド大使館にも行くことができて……そう、知ってました? フィンランド大使館って、大使館の中にサウナがあるんですよ(笑)。そういうところは、普通行くことができないから、すごく嬉しかったですね。

ーーちなみに、原田さんは、このドラマがヒットした理由について、どのように考えていますか?

原田:いやあ、まったくわからないです(笑)。ただ、サウナに入って気持ちいいっていうのは、多分みなさん同じでしょうし……サウナはひとりでも行けますし、友達同士、あと家族でも行けますからね。僕も普通に、子どもを連れて行ったりしていますし。でも、これ、難しいですよね。スーパー銭湯みたいなところはみんなで行けるけど、サウナっていう施設だけを取り上げてみると、これまではちょっと“おじさんたちの文化”みたいになっているところがあったのかもしれないし……。

ーーサウナ文化自体は以前からありますけど、ちょっと敷居が高いというか、入りにくいところはありましたよね。

原田:うん、そうですね。それがだんだんと、今はなくなってきたのかな。そういうイメージみたいなものが。ドラマの中にも出てくる“ととのう”という感覚……サウナ、水風呂、休憩を繰り返していると、いい感じになりますよっていうのが、ちょっと浸透してきたようなところもあるのかもしれないし。

ーーそういうイメージの変化みたいなものにひと役買っているのが、まさにこのドラマだったという気がします。そう、よく考えたら、サウナ施設の中の映像って、結構貴重ですよね。入り口は、ちょっと入りにくい感じだったけど、中はこんなに綺麗だったんだとか。

原田:そうですね。実際に、サウナ施設の中を見せられるっていうのは、強いかもしれないですよね。もちろん、僕らのドラマだけではなく、最近は『サ道』の他にもサウナ漫画みたいなものがいろいろ出ていて、そこでいろんなサウナが紹介されていたりするので。ってなると、やっぱり「行ってみたい!」っていう気持ちにはなりますよね(笑)。

ーー確かに。実際僕も何箇所か行かせていただきました(笑)。そう、タイトルには“道”とついていますが、何かひとつの流儀があるわけではなく、各サウナ施設によって、さまざまな流儀や楽しみ方があるところが、非常に面白かったです。

原田:そうですよね。本当にいろんなサウナ施設があるというか、施設ごとにサウナのストーブが違うし、壁の作り方だったり、水風呂の温度だったりも、全然違いますから。ホント、どこに行っても、全然同じ感じがしないというか。

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