「私はあなたの小説で育った」斜線堂有紀×桜庭一樹、“愛と殺意”が暴走する競作ミステリ刊行

桜庭一樹と斜線堂有紀による小説集『そうだ、君を憎めばいいんだ 愛と殺意と七つの条件』(河出書房新社)が5月20日(水)に発売された。
【画像】桜庭一樹と斜線堂有紀による競作クライムサスペンス作品集
本作は、2020年代の東京を舞台に、著者二人が設定した共通の「七つの条件」にもとづき、それぞれが短篇を書き下ろす形式の競作小説集。各2篇×4回の計8篇の短篇を収録するクライムサスペンス作品集となっている。少女たちの「愛」と「殺意」が交錯する殺人事件が描かれる。
現代に生きる少年少女の愛憎関係を描いてきた斜線堂が「私はあなたの小説で育った」と公言する相手が、少女の痛みと愛への渇望を描いてきた桜庭。1970年代生まれと1990年代生まれ、二世代にわたる人気作家の競作が実現した格好だ。それぞれ独立した短篇として読めるほか、二人の作品の相違を読み比べたり、共通する条件を探しながら最後の「解題」まで読み進めることもできる構成となっている。
収録作のうち、「ゲームオーバー」からはじまる七つの条件では、2024年の夏休み最後の日、夜明けの秋葉原を舞台に2つの愛と裏切りが交錯する物語が展開される。斜線堂による「場外戦」は、女一人でカードゲームショップに入り浸る百華が、自分よりゲームに強く美しい少女・ちなみの参入をきっかけにある罪に手を染めてしまう物語。桜庭による「怪物のまま生きてゆく」は、中華屋の娘・水が姉、幼なじみ、その彼女の向日葵と楽しい夏休みを過ごすなか、一人がビルの屋上から転落するという物語だ。
桜庭は1971年島根県生まれ。1999年にファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、2008年『私の男』で直木賞を受賞した。著書に『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『ファミリーポートレイト』『少女を埋める』『彼女が言わなかったすべてのこと』『名探偵の有害性』などがある。
斜線堂は1993年秋田県生まれ。2016年に電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞しデビュー。2021年『楽園とは探偵の不在なり』で本格ミステリ大賞(小説部門)候補、2024年『回樹』で日本SF大賞最終候補、吉川英治文学新人賞候補となった。著書に『恋に至る病』『ゴールデンタイムの消費期限』『星が人を愛すことなかれ』などがある。
あわせて、刊行記念スペシャルトークイベント「感想戦」が6月7日にジュンク堂書店池袋本店にて開催されることも決定。アーカイブ配信も実施される。
「一人では絶対に到達できない形の勉強を、四回もさせていただきました。」――桜庭一樹
「私はこの企画を通して、あなたで育った小説家はここまで書くことが出来るようになった、ということを伝えたかった。」――斜線堂有紀、本書「あとがき」より
「桜庭先生が考える“愛の定義”、知りたい……です」(斜線堂有紀)
「燃えるならいっそ燃えてくれ、みたいなこと、ありますよね」(桜庭一樹)
収録作品あらすじ(第2話「ゲームオーバー」からはじまる七つの条件より)
2024年、夏休み最後の日。夜明けの秋葉原を舞台に2つの愛と裏切りが交錯する――「場外戦」斜線堂有紀
女一人でカードゲームショップに入り浸る百華(ももか)。自分よりゲームに強く美しい少女・ちなみが参入してきたことで、ある罪に手を染めてしまう。
「怪物のまま生きてゆく」桜庭一樹
中華屋の娘・水(みず)は、姉、幼なじみ、その彼女の向日葵と楽しい夏休みを過ごすが、ある日、一人がビルの屋上から転落し――。……ほか、〈七つの条件〉をもとに競作された計8篇(書き下ろし2篇)&あとがきを収録
目次
イントロダクション
桜が咲いた日、七つの条件
「かわいそうに、魂が小さいね」桜庭一樹
「その春に用がある」斜線堂有紀
「ゲームオーバー」からはじまる七つの条件
「場外戦」斜線堂有紀
「怪物のまま生きてゆく」桜庭一樹
「自称犯人」からはじまる七つの条件
「私は呪い、君は愛。」斜線堂有紀
「アンチの恋」桜庭一樹
斜光のさす場所、七つの条件(書き下ろし)
「譲:クリスマスツリー」桜庭一樹
「譲:門松 求:クリスマスツリー」斜線堂有紀
あとがき
「一本の矢が飛んでいくのが短篇小説なのか」桜庭一樹
「いつかではない今が光っている」斜線堂有紀
書店員の感想
「これはズルい。お二人で、面白くならないわけがない設定だもの。同じお題なのに出来上がる物語は驚くほど違って、個性を読み比べる楽しさが詰まっています。人間関係が崩れていくスリルと、歪んだ愛の交錯。緻密で鋭い心理戦と、感情をえぐるような展開。強い言葉やセリフが随所に差し込まれ、読んでいて何度も心を揺さぶられます。見える世界がガラッと変わる瞬間も鮮やか。そして、条件が明かされた時の快感。『あれもこれもそうだったのか!』と一気につながる感覚がクセになり、気づけば、何度も読み返していました。」――紀伊國屋書店 新宿本店 新井沙佑里
「ここまではずれなし!全部おもしろい!短編集ってなかなかないです。両者それぞれ違う魅力がありつつどこか似ている。どちらかの作家さんしか知らなかったとしたら、もうひとり好きな作家さんが増えること間違いなしです。」――未来屋書店 水戸内原店 大谷典永
「桜庭先生の『荒野の恋』と読書エッセイを読んで、書店員になろうと決めました。斜線堂先生の「回樹」があまりにも好きで、書店員を続けようと思いました。かつて「少女」だった私と、今でも「少女」である私が、並んで同じ本を覗き込み、夢中で読んでいました。」――田村書店 吹田さんくす店 村上望美
「決まり事が7つもあることでなのか、今までに読んできたどの小説でも見たことのない展開や発想が出てきて、先の予測がつかず、面白かったです。『私は呪い、君は愛。』の○○○○○○○は、発想が大胆で、これは絶対キーワードなんだ!と思っていたのに、答え合わせをしたらまったくキーワードに入っていなくて、なんだか悔しくなりました。」――紀伊國屋書店 入間丸広店 牧野美沙都
「私の心に棲んでいる少女のような人格が喜んでいる。この本は「少女たちのカリスマ」によって紡がれた、老若男女に向けた傑作だと胸を張って言いたい。」――くまざわ書店 ららぽーと福岡店 川中大地
「桜庭一樹先生と斜線堂有紀先生、2人の極上の愛と殺意がフュージョン!七つの条件から紡ぎ出される物語は、痛々しくて鋭く刺さる……!濃厚な愛と憎しみが凝縮された短編を、お腹いっぱいになるまで楽しめました!」――TSUTAYA サンリブ宗像店 渡部知華
著者紹介
桜庭一樹(さくらば・かずき)
1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書に『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『ファミリーポートレイト』『少女を埋める』『彼女が言わなかったすべてのこと』『名探偵の有害性』他。
斜線堂有紀(しゃせんどう・ゆうき)
1993年秋田県生まれ。2016年、電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞しデビュー。21年『楽園とは探偵の不在なり』で本格ミステリ大賞(小説部門)候補。24年『回樹』で日本SF大賞最終候補、吉川英治文学新人賞候補。著書に『恋に至る病』『ゴールデンタイムの消費期限』『星が人を愛すことなかれ』他。
■書誌情報
『そうだ、君を憎めばいいんだ 愛と殺意と七つの条件』
著者:桜庭一樹/斜線堂有紀
価格:1,980円(税込)
発売日:2026年5月20日
出版社:河出書房新社
■関連情報
桜庭一樹×斜線堂有紀『そうだ、君を憎めばいいんだ』刊行記念スペシャルトーク「感想戦」
登壇者:桜庭一樹、斜線堂有紀
開催日:2026年6月7日(日)
開催時間:14:00~15:30
会場:ジュンク堂書店 池袋本店 9階イベントスペース(豊島区南池袋2-15-5)
アーカイブ配信期間:2026年6月8日15:00~2026年6月22日23:59
詳細: https://onlineservice.maruzenjunkudo.co.jp/products/j70019-260607
※会場参加チケット、サイン入り書籍付きオンライン視聴チケットは完売。
※アーカイブ配信はイベント開催日の翌日15時から視聴可能。























