【漫画】会社にある謎の係とは? うらやま面倒くさいオフィスラブ『新人秘書ちゃんは社長を動揺させたい』

社内に謎の係はあるだろうか。Xに投稿された『新人秘書ちゃんは社長を動揺させたい』では、「動揺するとぬいぐるみになる」「誰かにキスをしておくと1時間は動揺しても大丈夫」という呪いにかかった社長・久遠と、“キス係”でもある新人秘書・青野がメインの百合漫画になっている。
ドキドキとニヤニヤを堪能できる“オフィスラブ”が描かれた本作の作者・鮎さん(@ilikeTarako)に、本作を制作した背景など話を聞いた。(望月悠木)
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キスの時の表情のこだわり
――なぜ『新人秘書ちゃんは社長を動揺させたい』を制作したのですか?
鮎:取り止めのないネタや思いつきのメモを書き溜めておくノートがあり、何のきっかけだったかは忘れたのですが、そこに「ぬいぐるみのマスコットになる鬼上司」というネタのメモだけして温存してありました。その後、「SNSに載せるための軽めの作品を描こう」と思い、そのアイデアメモを引っ張ってきて細部を詰めていったという流れです。
――世界観や設定はどのように膨らませていったのですか?
鮎:「百合漫画を描きたい」と決めていたので、「じゃあその上司と誰をどうやって百合関係にしていこう?」「ぬいぐるみになってしまうのはなぜ?」と順番にアイデアを広げていきました。最終的に、より近い関係性にするため、「社長とその秘書に、ぬいぐるみになるのは先祖から続く呪いで、その呪いをなんとかするという名目で定期的にキスをしなくてはいけない」というところに落ち着きました。
――2コマ、4コマという構成で描かれている内容でしたね。
鮎:「SNS向けの軽い作品にしよう」と思っていたのもあり、わかりやすく数ページで簡潔に終わるようなエピソードをいくつか考えていきました。2コマ、4コマの構成にしたのは、他に優先して進めなくてはいけない作業があり、この作品にあまり時間を割けなかったための苦肉の策でした。
――キスがオチになっている内容でした。オチが決まっているからこそ、描きやすかった部分、苦戦した部分などはありましたか?
鮎:「百合漫画が描きたい」という根本の目的があるため、どちらかというと「今回はどうやって2人をキスさせてやろうか」という話の組み立て方になるので、それを考えていく作業は楽しいです。ただ、この作品を長く続けるとなると、1つのネタで引っ張るのは限界があるかと思うので、今後の展開で苦戦していきそうな予感はしています。
――青野と久遠がどのように生まれたのか教えてください。
鮎:本作を描く前に取り組んでいた別の企画がボツになり、その企画で描いていた上司・部下の女性2人のキャラクター造形が気に入っていたため、2人の外見や性格はそこからほぼ流用しました。
――それぞれ描くうえで意識したことは?
鮎:青野は起こった出来事に翻弄されていくキャラにしたかったため、初々しさと元気さを核に性格を組み立てました。今までの自分のキャラにいない見た目にしたかったのと、「みかん」という名前が先に決まっていたため、丸めのざっくりとしたおかっぱ頭のイメージになりました。一方、久遠は企業の社長であることと、自らの呪いへの苦しみを秘めているキャラなので、クールで威厳があるようなキャラ造形を目指しました。ロングヘアにしようか迷いましたが、ボーイッシュ系のショートカットに落ち着きました。
――動揺する青野、スマートな久遠と、それぞれ異なる2人のキスの表情が素敵でした。
鮎:2人のキスはあくまで業務の一環であり、久遠にとっては日常茶飯事かつ青野以前の歴代の秘書とも行ってきた行為でもあります。キスをする度に一々動揺して赤面してしまう新人の青野と、キス自体には感情を含んでいない余裕のある久遠の対比を心がけました。
――そう聞くと結構ドライな関係性ではありますね……。
鮎:ただ、2人は物語が進むにつれて距離が縮まり、恋人関係になっていく予定です。それまで業務上の行為だった青野とのキスに感情が芽生え、次第に翻弄されるようになっていく久遠と、行為に慣れてきて余裕が出てくる青野、という関係性が逆転していく様子も、今後描いていければと思っています。
――今後はどういう作品を描いていく予定ですか?
鮎:現在、担当編集さんと水面下で商業連載の準備を進めています。それと並行して、個人でも作品を制作し、SNSに掲載したり創作系のイベントに参加したりなどして、作品を発表しています。興味がありましたらぜひご覧いただければ嬉しいです。これからも読者さんに楽しんでもらえる百合作品を描いていきたいです。




















