26歳・坂本湾『BOXBOXBOXBOX』が芥川賞候補入り “宅配所の闇”描く話題作

『BOXBOXBOXBOX』芥川賞候補作に選出

 坂本湾『BOXBOXBOXBOX』(河出書房新社/11月17日刊)が第174回芥川龍之介賞(主催:公営財団法人日本文学振興会)の候補作に選出された。

 『BOXBOXBOXBOX』は1999年生まれの26歳、北海道生まれ宮古島・福岡県育ちの作家・坂本湾のデビュー作品。本作は第62回文藝賞を受賞している。

 「テープを引き剝がし、蓋を開けて、覗き込みたい」宅配所で箱を仕分けるうちに生じた、禁断の衝動ーー。宅配所で働く4人とそれぞれの「箱」をめぐる物語が描かれた、新時代の〈労働〉を暴くベルトコンベア・サスペンス。

 11月に本作の単行本が発売されると、本作で繰り広げられる霧に包まれた宅配所での過酷な単純労働や不条理劇、虚実の曖昧な境界線から立ち出でる容赦のない現実の存在感が読者の評判を呼び、刊行から2週間後に早くも重版が決定。2025年の新人賞受賞作、デビュー小説の中で「随一」との呼び声も高い話題作が、このたび芥川賞候補作へノミネートされた。

 「私」であることを必要とされない労働において、「私」を保ち続けることはいかにして可能か? 時代の閉塞感をこれでもかと執拗に抉りだす本作の芥川賞ノミネートを記念して、冒頭から約20ページがWeb河出にて特別公開されている。

■書誌情報
『BOXBOXBOXBOX』
著者:坂本湾
価格:1,650円(税込)
発売日:2025年11月17日
出版社:河出書房新社

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