『聖闘士星矢』星矢と沙織の関係性はどうなった? ジャンプ勢が知らない“最終回のその後”

※本記事は「聖闘士星矢」シリーズの内容に触れる部分があります。作品を未読の方はご注意ください。
1985年12月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載を開始した『聖闘士星矢』が生誕40周年を迎える。その記念企画の一環として作者の車田正美公式サイトが発表したのが、12月19日発売の「チャンピオンRED」(秋田書店)に掲載される新作『聖闘士星矢 THEN II 使命』だ。11月に公開された情報では、アテナのクロスをまとった沙織のイラストと共に「執筆完了」が告げられ、公式続編であることからも大きな注目が集まっている。
一方、作品ファンの中には、続編が続いていたこと自体を知らない人もいるのではないだろうか。なぜなら『聖闘士星矢』は、ジャンプ本誌では「打ち切り」のような終わり方をしていたからだ。
ジャンプでの最終回は1990年、冥王ハーデス編の真っ最中に訪れた。冥界へ乗り込んだ星矢がハーデスへペガサス彗星拳を放ったところで物語が途切れ、「冥王ハーデスとの激闘はまだ終わりを告げていない」というメッセージを残したまま連載は終了した。敵を倒したのかも不明のまま幕が下りたため、当時の読者の多くが「打ち切りでは?」と感じたのも無理はなかった。しかし、この続きは同年創刊された「Vジャンプ」(集英社)で『聖闘士星矢 完結編』として描かれ、コミックス最終話にも収録される形で正式なエンディングに繋がっている。
さらに、2006年に本編の正統な続編となる『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』が「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に移籍する形で連載がスタートし、2024年に完結。同年、後日談の『聖闘士星矢 THEN 廃墟の花』が掲載されているが、今回の『聖闘士星矢 THEN II 使命』もこちらと同じくオールカラー8ページの袋とじで掲載されるようだ。
『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』では、星矢たちの戦いから遡ること243年前の前聖戦の時代が舞台。“前世の星矢”のようなペガサスの聖闘士・天馬とその親友でこの時代のハーデスの依り代であるアローン、そしてこの時代のアテナとなる予定のサーシャの幼なじみ3人を中心に物語が展開。さらに、後の“教皇”アリエスのシオンと“老師”ライブラの童虎も登場する。現代にて、星矢は胸にハーデスの剣(呪い)が刺さった状態で廃人状態となっており、この剣は未来のいかなる神の力でも取り除くことができない。そのため、アテナは時の神クロノスに願い、過去へ遡ってまだ生まれていない赤子のハーデスを倒す(あるいは剣を破壊する)ことで、歴史そのものを変えようとするのだ。
しかし、そのことでこの時代のアテナ(サーシャ)が降臨することができず、このままでは次元のバランスが保てず宇宙が崩壊するという理由から黄金聖闘士たちが沙織の抹殺をたくらむ展開に。そこに氷河、紫龍、一輝ら青銅聖闘士もやってきて、聖闘士たちの戦いやハーデス軍との死闘を繰り広げる。そして、最後は沙織とサーシャの“花の鎖”が共鳴するスーパーパワーで星矢はハーデスの剣の呪いから生還。同時に沙織と青銅4人は現代へと戻るのだった。
しかし、禁忌を犯したことでアテナと青銅聖闘士4人は月の女神アルテミスの裁きを受け、最終的に沙織は神の地位を失い人間となり、星矢も記憶を奪われる。2人はギリシャの街で偶然再会するが、お互いを思い出せないまますれ違っていく。『NEXT DIMENSION』はここで完結を迎え、星矢と沙織の関係は“再会したのに気づかずすれ違う”という切ない形で区切りをつけた。
今回発表された新作『THEN II 使命』は、アテナのクロスをまとった沙織が登場することからも“再びアテナとして立ち上がる沙織”が描かれる可能性が高い。また、新作のタイトルが“使命”であることを考えると、アテナとしての役目が再び語られ、星矢との関係にも新たな意味が与えられるストーリーとなるのではないか。
『NEXT DIMENSION』が完結した今、次の物語が描かれるのかは車田本人のみぞ知るところだが、本作を“序章”としてこの先新シリーズが発表されるようなことがあれば、ジャンプ時代のファンを巻き込み、生誕40周年がさらに盛り上がることは間違いないだろう。





















