上白石萌音 “本のある暮らし”を語る 読書家としての横顔とおすすめの一冊とは?

上白石萌音がおすすめする読書の魅力

 俳優としてドラマや舞台、映画に出演し、さらに歌手活動でも存在感を放つ上白石萌音。幅広い活動の一方で、彼女を語る上で欠かせないのが「無類の読書好き」という一面だ。9月10日に放送されたNHK『あさイチ』では、おすすめの1冊を紹介し、SNS上でも「やっぱり萌音ちゃんは本好き」と話題を呼んだ。スクリーンや舞台で見せる華やかな表情の裏には、ページをめくる時間を大切にする素顔がある。

上白石萌音「あさイチ」で披露したおすすめの1冊

 『あさイチ』のトークで上白石がおすすめしたのは、自身が最近読み込んだ1冊というハン・ガンの『ギリシャ語の時間』(晶文社) だ。言葉の選び方にどれほど共感したかを丁寧に語り、自分も「しっかりと煮詰められた言葉」を使っていきたいと語り、司会陣や視聴者を引き込んだ。

 放送後、SNSでは「読書感想文を聞いているようで胸が温かくなった」「萌音ちゃんの言葉で本を読みたくなった」といった感想が広がり、彼女の“読書伝道師”ぶりを改めて印象づけることになった。

読書家エピソードの数々

 上白石の読書好きは以前から知られている。インタビューではしばしば「移動時間や楽屋で本を読むことが一番のリフレッシュ」と語り、撮影現場にも常に数冊を持ち歩くという。小説からエッセイ、詩集までジャンルは幅広く、特に若手作家の新刊をいち早くチェックするのが習慣だそうだ。

 また、舞台稽古の合間に共演者へお気に入りの本を勧めることもしばしばあり、「萌音さんに紹介された本を読んでハマった」という役者仲間の声も多い。まさに「本を通じて人とつながる」タイプの読書家だ。

 彼女が積み重ねる読書体験は、俳優としての表現にも大きく影響している。脚本を読む際も「一冊の小説を読むように」人物像を深掘りし、言葉の裏に潜む感情を想像する力が演技に結びついているという。評論家の間でも「上白石萌音の役作りには文学的な視点がある」と指摘されてきた。文学を愛することで得た語彙力や想像力が、彼女の台詞に独特の奥行きを与えているのだろう。

 『あさイチ』で紹介した1冊をきっかけに、多くの視聴者が「久しぶりに本を読んでみようかな」と思ったに違いない。上白石萌音の読書姿勢は、単なる趣味ではなく、人に伝えることで輪を広げる力を持っている。女優・歌手として活躍する一方で、「読書家」としての側面は彼女の人間的な厚みを支える大切な柱だ。ページをめくる手の中に、上白石萌音という表現者の未来を形づくるヒントが隠されているのかもしれない。

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