彬子女王殿下の連載エッセイ「彬子女王のモダン建築めぐり」開始 『Casa BRUTUS』9月号より

彬子女王殿下の建築連載エッセイが開始

 彬子女王殿下の連載エッセイ「彬子女王のモダン建築めぐり」が『Casa BRUTUS』(マガジンハウス)2025年9月号より開始される。

 英国・オックスフォード大学大学院で博士号を取得され、美術やデザインへの造詣が深い彬子女王殿下が、明治、大正、昭和初期に建てられたモダン建築をめぐる本連載。その頃は西洋建築が輸入された時代であり、和風と洋風が折衷した独特な様式が魅力で、皇室ゆかりの施設も多く建てられた。そんなモダン建築について、彬子女王殿下ならではの視点で綴っていく連載となっている。

 連載の第1回で訪れたのは学習院 東別館(旧皇族寮)。学習院大学のキャンパスに佇む東別館はかつて皇族たちが学び暮らした寄宿舎で、宮内省内匠寮が設計した世界で唯一の皇族のための寮だった。彬子女王殿下が学習院大学在学中は、教室として学んだ場所でもあり、その頃の記憶についての記述や、今回の取材を通じて得た新たな「気付き」に関する考察などが掲載される。

 『Casa BRUTUS』2025年9月号「日本のBEST美術館」は2025年8月7日(木)発売だ。

彬子女王殿下 コメント

私が専門とする近代は、日本人の暮らしが大きく変わった時代です。髷を結っていた人たちは断髪し、着物姿に帽子をかぶったり、喫茶店に珈琲やアイスクリームを楽しみに出かけたりする人たちも増えてきます。様々な西洋文化が日本に流入し、取り入れられたり、日本文化と融合したりしながら、多くの人たちの手によって、新しい文化が生み出されていくこの時代のことが私はとても好きです。今まで自分が知らなかった文化に出合った人たちの、期待や不安、興奮や高揚感など、当時の息遣いが一番強く感じられる時代だからかもしれません。そんな時代に建てられたモダン建築からは、そこに暮らしていた人たちの様々な思いが伝わってきます。設計した建築家とはどのような関係があったのか、和洋折衷の造りにしたのはいかなる理由があったのか、明るいテラスでは家族でどのような会話を交わしたのだろうか...そんなことを考えながら建物の中を巡っていると、いつもあっという間に時間が過ぎてしまいます。近代から現代へと、多くの人たちの手によって遺されたモダン建築に込められたものがたりを、この連載を通して紐解いていけることを、大変楽しみにしております。

■彬子女王殿下 プロフィール
1981年生まれ。学習院大学卒業後、オックスフォード大学マートン・コレッジ留学。2010 年、博士号取得。著書に留学記『赤と青のガウンオックスフォード留学記』、『日本美のこころイノリノカタチ』。

■書誌情報
『Casa BRUTUS』9月号
価格:1,150円(税込)
発売日:2025年8月7日(木)
出版社:マガジンハウス

『Casa BRUTUS』2025 年 9 月号 photo_新津保建秀 ©マガジンハウス

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