【漫画】車のエンジンルームに野良猫、どうする? 動物保護の尊さと過酷さを描くエッセイ『ふうらい日和』

【漫画】車のエンジンルームに野良猫が


ーー本作を創作した経緯を教えてください。

はる蔵:『フェリシモ「猫部」』で漫画を連載させていただいていて、そのなかで描いたのが本作でした。昨年の秋に野良猫家族を保護した経験を漫画にしています。

ーー実際に野良猫の家族を保護するなかで特に大変だったことは何ですか?

はる蔵:保護するために、子猫を捕獲するのが本当に大変でした。私の家にはすでに子猫のときから一緒に暮らしている先住猫がいたのですが、先住猫は私の家で生まれました。なので、最初から人間に慣れている状態だったんです。

 しかし今回保護した子猫たちは本当に外(野生)で生きてきた子たちで、人間にまったく慣れていませんでした。本当にすばしっこいし、捕まえようとしても小さな隙間から逃げてしまって。素早さだけでなく、小さい体なのに噛む力もすごくて、大変さと同時に外で生きるのは本当に過酷だったんだろうなと実感しました。

ーー外で猫が生きていく過酷さも、野良猫の保護をする理由の1つなんですね。

はる蔵:そうですね。今回の保護活動で、子猫が外で生きていく厳しさを身をもって感じました。野良猫って一見自由で、のんびり暮らしているイメージを持っている方も多いと思います。私もそう思っていました。でも自由と引き換えに、危険な世界でのギリギリの生活を過ごしているんだなと改めて学びましたね。

ーー現在は何匹の猫と暮らしていますか?

はる蔵:昔保護した母猫の子供である2匹の猫と、今回の漫画で描いた母猫、子猫の1匹の合計4匹です。昔から飼っている2匹の“ふう”と“らい”には3匹の兄弟がいて、それぞれ優しい里親さんに引き取っていただきました。今回の漫画で描いた子猫のうち2匹も、保護団体さんのお力を借りて素敵な里親さんの家族になっています。

ーー里親さんとは現在も交流があるのでしょうか。

はる蔵:保護活動を始めてからはもう10年くらいになるのですが、最近の里親さんはもちろん、昔お世話になった里親さんとも交流があります。やっぱり元気に過ごしていてほしいなと思うので、写真なんかを送っていただけるとすごく嬉しいですね。

ーー猫とともに暮らす魅力を教えてください。

はる蔵:猫は我が家ではマイナスイオンのような存在で、基本的にはお気に入りの場所にいるんですけど、もういるだけで癒しなんですよね。何もしてくれなくても、同じ空間にいるだけで安心できます。人間が猫に快適な環境を提供して、猫が人間に癒しをくれる関係が素晴らしいです。

ーー最後に、今後はどのような漫画を描いていきたいですか?

はる蔵:猫を飼っている方には「あるあるだなぁ」と楽しんでいただいて、猫を飼っていない方には「猫ってこんな感じなんだ」と楽しんでもらえる漫画を描いていきたいです。読みながらクスッと笑える作品や、じんわり温かくなるような作品が描けたらいいですね。

 本作の続きやその後、先住猫である“ふうらい”の物語に興味を持っていただけた方は、『フェリシモ「猫部」』の連載も覗いてみてもらえると嬉しいです!

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる